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海賊が「クムミ号」を無条件で解放、なぜ?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

拉致直前にケニア・モンバサ港に停泊していた「クムミ305号」(写真=ケニア海外同胞キム・ジョンギュ氏)。



海賊と妥協しない政府の原則が勝利した。「アデン湾の黎明作戦」の教訓も大きかった。「クムミ305号」が9日に海賊から解放されることができた原動力だ。船員43人とともに「クムミ305号」がこの日解放され、海賊による韓国人拉致事件はすべて解決した。外交通商部はこの日、「清海(チョンヘ)部隊の要請により近隣海域で作戦した連合艦隊所属のフィンランド艦艇1隻が船員らの安全を確保するためクムミ305号側に移動中」と話した。「クムミ305号」は所属船員が最も多いケニア側に移動する可能性が大きい。

「東アフリカ航海者支援 プログラム」の運営者、アンドルー・ムワングラ氏は、「海賊が要求した身代金を受け取れる可能性がなく、人質を養う方法がないため解放したものと考えられる」と話した。


「クムミ305号」に船員と用品を供給したケニア・モンバサ港の船舶代理店代表の海外同胞キム・ジョンギュ氏は(59)海賊らと粘り強い交渉を進めた。キム氏は本紙記者と通話し、「クムミ号」の解放状況を説明した。

――いつ連絡を受けたか。

「8日夕方(現地時間)ごろに解放すると連絡を受けた。船はすぐに港を離れた。連合艦隊に会うには12~15時間ぐらいかかる。韓国時間10日午前に連合艦隊と合流するだろう」

――身代金を払ったのか。

「特に金を払ってはいない。海賊も金を受け取ることができないことを知って船から金になるのはすべて持っていき、船と船員だけ戻した。船のいかりまで持っていった」

――どのように交渉をしたか。

「拉致されたケニア人船員にムスリムが多いことを知り、ケニアのムスリム指導者を通じて説得した。ソマリアの有志にも助けを求めた」

――船員らの健康状態は。

「機関長がマラリアにかかり船長も体調が良くない。ケニア人船員に精神異常を見せる船員がおり、海賊が長期にわたり抑留するので負担を感じた。」

キム氏は、「クムミ305号が昨年11月から1カ月にわたり海賊母船として何回も動員された」と話した。海賊は身代金を受け取れないとわかり、「身代金がなければ海賊をやれ」として「クムミ305号」を強制的に引っ張っていったということだ。

海賊はこれまでの交渉過程で、船会社が破産したうえに「クムミ305号」の家族から身代金を取るのが難しいという事実を知ることになった。韓国政府も身代金を支援しないという原則を強調した。

特に韓国政府が「三湖(サムホ)ジュエリー号」の救出作戦に出るほど強硬な態度を見せたことから、海賊は現実的判断をしたと分析される。





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