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オリックスの春季キャンプが行われている沖縄・宮古島市民球場の入口。 案内を担当する職員が尋ねた。
「いったい朴賛浩(パク・チャンホ)と李承ヨプ(イ・スンヨプ)は韓国でどれほど有名な選手なのですか」。
「日本の野茂英雄とイチローと考えればいいと思います」。
「本当ですか。そんな大選手が同じチームでするというのですか」。
対話はここで終わった。 日本人も朴賛浩と李承ヨプが同じチームでプレーすることに驚いていた。 空に2つの太陽が昇ることはない、というニュアンスだった。 李承ヨプに続いて朴賛浩がオリックスと契約すると、多くの国内野球関係者も同じ心配をしていた。
数時間後、 記者室に座っていると、驚くような言葉が聞こえた。 「おい、ファウルを打つ練習をしているのか?」。どの記者が李承ヨプにそんなことを言うのか。記者室の5メートル前で李承ヨプがティーバッティングをしているのにだ。 揶揄したのは記者ではなく朴賛浩だった。
取材陣の視線は汗だくになってスイングしていた李承ヨプに向かった。 果たして何と答えるのか。 「ちょっと! 練習の邪魔をしないでくださいって」。そして笑いながらまたバットを振り始めた。 朴賛浩はグラウンドに出て李承ヨプとやり合っている。 もちろん笑顔でだ。
2人は06年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で一緒になった時を除いて特別な縁はなかった。 私的な席で何度か会った時も、李承ヨプは朴賛浩に気を遣い、よそよそしい姿を見せた。 キャンプ前に行った日本取材陣とのインタビューでも「朴賛浩先輩は私とは次元が違う選手」と謙遜した。
一方的な関係は長続きしない。 常に最高待遇を受けてきた李承ヨプにとって、朴賛浩はあまりにも大きな陰かもしれない。 しかしキャンプでの10日間、朴賛浩と李承ヨプは人間的にかなり親しくなった感じだ。 朴賛浩が気さくに近づくと、李承ヨプも気楽に接している。 「ファウル練習」ハプニングからそれが感じられた。 李承ヨプが親しい先輩に接する時の話しぶりだった。
李承ヨプは「朴賛浩先輩とは毎日話している。 一緒に食事をしたり、サウナに入ったり…。 キャンプに来ると練習のため体重が落ちるが、今回はむしろ3キロ増えた。 朴賛浩先輩と一緒にいるからかもしれない」と言って笑った。
朴賛浩は「今は自分がお世話になっているが、シーズン中は李承燁の力になることができるだろう。 李承燁が頑張れば自分のことのように一緒に喜べるのが自分」と約束した。
2人をよく知る金星根(キム・ソングン)SK監督は昨年末、「同じチームでするのは簡単なことではないはず。 それでも幼くない選手なのでうまくやっていくだろう」と話していた。 米国で17年間も修羅場を経験してきた38歳の朴賛浩、韓日で天国と地獄をともに味わった35歳の李承ヨプは恩師の期待通りうまく付き合っている。 すでに冗談を言い合いながら。
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