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旧正月の朝にはトッグク(餅入りスープ)を食べて新年を迎える。餅を食べてまた1歳、歳を食う(韓国語で「歳を取る」ことを「歳を食べる」と表現する)のだ。
旧正月の定番料理トッグクも地域ごとに多彩な顔を見せる。咸鏡道(ハムギョンド)・平安道(ピョンアンド)・黄海道(ファンへド)では大きな餃子がいっぱい入ったトッグクを、忠清道(チュンチョンド)・全羅道(チョルラド)・慶尚道(キョンサンド)ではシンプルなトッグクを、京畿道(キョンギド)・江原道(カンウォンド)では餃子入りのトッグクを食べる。これに各地域の特産物が加わり、地方色豊かなトッグクが作られるようになった。風味と見た目はさまざまだが、その中に込められた真心と起源の意味は一にしている8道8色のトッグクを紹介したい。
黄海道・京畿道・慶尚道のトッグクは口コミでおいしいと言われる店を直接訪ね歩き、ソウルではなかなか味わえない平安道・咸鏡道・江原道・忠清道・全羅道のトッグクは、ソウル新羅(シルラ)ホテルの韓国料理担当料理長百英蘭(ペク・ヨンラン)さんとともに再現してみた。
■平安道/小麦粉をまぶした餃子入りスープ(クリンマンドゥグク)
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餃子のたねだけを煮込んだスープ。豚肉のミンチ、モヤシ、豆腐、小麦粉に必要な味付けをしてしっかりと混ぜ合わせる。団子状に丸めて小麦粉に何度か転がしたあと、熱湯に入れてゆでる。小麦粉をまぶしてゆでるという過程を再度繰り返したあと、牛肉スープのなかに盛り付ける。
■黄海道/発酵させた塩漬けハクサイと餃子入りスープ(カンジャンジマンドゥグク)
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黄海道の餃子には‘カンジャンジ(発酵させた塩漬けハクサイ)’が入る。ソウル瑞草洞(ソチョドン)‘ポンサンオク’のユンヨンスク(52)さんは黄海道出身の義母から、このトッグクのレシピを伝授された。「義母は塩漬けにしたハクサイと稲のわらを入れ物に層状に積み重ねてカンジャンジを作りました。最近の人々の舌にはカンジャンジはとても塩辛いので、代わりに漬けたハクサイを使います」味はシンプルだが、さくさくとした歯ごたえがいい。
店名:ポンサンオク、価格:ポンサンマンドゥグク 8000ウォン、問い合わせ:02-525-2282
■咸境道/キジ肉と餃子入りスープ(クォンマンドゥグク)
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昔から咸境道では満州から飛んでくるキジを捕獲して、さまざまな料理にして食べていた。そのうちのひとつがこのクォンマンドゥグクだ。長さをそろえて切り刻んだキジ肉、モヤシ、豆腐、みじん切りにしたニンニクと長葱と混ぜ込んだあと、いためて餃子のたねを作る。大人のこぶし大ほどの大きさに餃子を作り、キジの骨、大根、長ネギを入れてじっくり煮こんだスープに入れてさらに煮込む。煮込んでいる間に刻んだキジ肉に味付けをして添える。
■京畿道/ひょうたん餅と餃子入り餅スープ(開城ゾレンイトックマンドゥグク)
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京畿道地域に属する開城(ケソン)の代表的な料理はゾレンイトックマンドゥグク。ゾレンイトックは細長く作ったうるち米のカレトックを、固くなる前に小さく切って木の刀で押し、ひょうたんの形に作った餅だ。高麗(コリョ)が亡びて朝鮮時代に入ると、開城の人々は心の中の恨みを晴らそうと首を締めるように餠をひねって作り始めたのがゾレンイトックの始まりだと言われている。
店名:宮(クン)、価格:ゾレンイトックマンドゥグク 8000ウォン、問い合わせ:02-733-9240
【グルメ】8道トッグク、8色トッグク(2)
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