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【社説】アデン湾の快挙が残した課題

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ソマリアの海賊に拉致された「三湖(サムホ)ジュエリー号」を無事に救出した韓国海軍清海(チョンヘ)部隊に全国民からの賛辞があふれている。命をかけた完ぺきな作戦で海賊を掃討し船員21人全員を救出した清海部隊将兵らの労苦と勇気はいくら称えても足りないだろう。だが、いつまでも拍手ばかりしているには何か物寂しい。「アデン湾の快挙」が今後も続くという保障はないためだ。今回のことを契機に清海部隊の戦力を補強する一方、海運会社は海運会社なりに予防的次元の自助策に積極的に出る必要がある。海上救出作戦のためには2隻の軍艦が陽動作戦を展開することが効果的ということは常識だ。アデン湾海域で海賊退治活動を行っている日本と中国・ロシアなども2隻以上の駆逐艦を派遣している。清海部隊が4500トン級駆逐艦の1隻で全員救出の快挙を成し遂げたことは奇跡だ。「三湖ジュエリー号」船長が腹部貫通のけがを負ったのを除き船員や将兵全部無事だった。UDT隊員をはじめとする清海部隊将兵らが緻密で組織的に任務を遂行した結果だが、運もあったとみなければならない。しかし幸運が繰り返されると期待するのは無理だ。この機会に清海部隊の戦力補強を検討する必要がある。2014年に予定された2300トン級次期護衛艦と1200トン級哨戒艦の戦力化時期を操り上げる代わりに現在海軍が保有する6隻の駆逐艦のうち1隻を追加で派遣することも検討できるだろう。

さらに重要なのは海運会社が自ら拉致に備え根本的対策を立てることだ。まず急がれるのが船内避難所の設置だ。海賊が侵入した場合に食糧と飲料水、通信手段などを備え密閉された鉄製空間で船員が待避した後に救助を待つようにするものだ。「アデン湾の黎明作戦」と同じ時刻にマレーシア海軍も近隣海域で海賊に拉致された自国船舶の船員23人全員を1人のけが人も出さずに救助した。船員全員が避難所に待避していたためだ。政府が避難所設置と、武装または非武装保安要員の乗船を義務化する方向で関連法改正を推進することにしただけに国会も早急に法制化を積極的に進めなければならない。

昨年世界で海賊が民間船舶を攻撃した事件は446件で前年より9.8%増加した。拉致された船舶が66隻で、そのうち62隻がソマリア海域で拉致された。これまで韓国船籍または韓国人乗船船舶でソマリア海賊に拉致された事件だけで8件だ。昨年10月に拉致された「クムミ305号」はまだ抑留中だ。海賊はますます国際化・企業化しているだけに国連や国際海事機構(IMO)など国際機関を通じた協力に積極的に出なければならない。しかし1日で解決される問題でない。とりあえずは自助策確保に重点を置くしかない。 「アデン湾の黎明作戦」で一時的に打撃を受けたからと韓国船舶に対する拉致の企てを止める海賊たちではないためだ。

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