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キム・ヨナでも浅田真央でも、競技後にトイレについて行く彼女

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ドーピング検査官のパク・ジュヒさん。



「私の身体をしっかり見てください。潔白ということを証明する人はあなたです」。

10平方メートル程度のトイレに2人の女性が入った。便器がひとつと壁面に張りめぐらされた鏡が目に入った。そのうちの1人はサマンサ・ワリナー(41)というニュージーランド人だった。2008年4月に慶尚南道統営(キョンサンナムド・トンヨン)で開かれたトライアスロン・ワールドカップ女子1位となった彼女は、ドーピング検査のためすぐにトイレに向かった。ウォリナーさんは身につけていた水着を脱いだ。がっしりとした筋肉質の裸身。彼女は中腰になると尿を採取するガラス瓶を便器の下に差し入れた。


ついてきた女性は新米ドーピング検査官のパク・ジュヒさんだった。これまでズボンを膝の下まで下ろして尿を採取すること一筋にやってきた。

「一体型の水着は用を足すときにすべて脱がないといけません。私も思わずそっと目をそらしました」。その瞬間ウォリナーさんが行った。「恥ずかしがらないで。私たちはプロです。私の優勝にごまかしがなかったということを立証するのはあなたです」。ハッとした。

パクさんは韓国で最初の国際ドーピング検査官(IDCO)だ。現在2011年大邱(テグ)世界陸上組織委員会のドーピング支援チームで「クリーンドーピング」に力を入れている。22歳。結婚の考えはまだない。

パクさんは梨花(イファ)女子大大学院で特殊スポーツを専攻した。障害者車いすバスケットボール協会の推薦で韓国ドーピング防止委員会(KADA)に採用された。2008年10月にアジアオリンピック評議会(OCA)の推薦で韓国初の国際ドーピング検査官になった。

名前も知らない他人の排尿過程を見守るのは簡単なわけがない。「最初は女性の最も大事なところを注視するのは恥ずかしかったです。しかしいまはこの仕事に完全にはまっています」。

ドーピング技術は国際スポーツの発展スピードと軌を一にしてきた。「薬物は選手生命を短くし、死に至ります。神聖なスポーツ精神を汚します」。

彼女はスポーツ界を代表するスターのドーピング検査も担当する。エレーナ・イシンバエワ、キム・ヨナと浅田真央が代表的だ。「実力があるだけに検査経験も多いでしょう。3人ともさっさと済ませて出て行きます」。最近では“両性具有”問題があり身体もしっかりとチェックする。「南アフリカの陸上選手のキャスター・セメンヤが代表的です。ズボンを下ろすときに手術の跡がないか確認します」。



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