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最近、ソウル江南(カンナム)瑞草区(ソチョグ)一帯で、子どもを誘拐したと言って身代金を要求するボイスフィッシング電話が増えている。
瑞草区瑞草洞に住むKさん(52、女性)も先日、息子を誘拐したという電話を受け、2000万ウォン(約150万円)を送金した。米国で勉強し、最近まで中小衣類会社のCEOを務めていたKさんは「電話を受けながら、一度も詐欺だとは疑わなかった」と語った。Kさんは「今後、自分のような被害者が出なければいい」と言ってインタビューに応じた。
Kさんの話をもとに当時の犯罪を再構成した。
◇14日午後6時。家で皿洗いをしているところ、電話が鳴った。当時、家には私一人だった。「母さん! オレ、〇〇〇だけど、刃物で刺された…」。長男の声だった。息子は泣いていた。成人になった後、長男が泣く声を初めて聞いた。大学修士課程の息子は大学研究室にいる時間だった。兵役を終えた25歳の男が泣くぐらいだから、どれほどひどいめにあっているのだろうか。
その後、受話器を受けた一人の男は「お金が必要だった後輩らが刃物で刺した。2000万ウォンを送れば病院に連れていく」と話した。「通帳に1000万ウォンしかない」と答えると、ひとまずそれを送れと言った。
男は所々に汚い言葉を混ぜながら、誰かに「右折しろ」「お前、前に行け」と叫んだ。息子を車に乗せてどこかに連れて行くような雰囲気だった。男は「余計なことをするとすぐに殺す」と話した。
その間、次男(21)が家に帰ってきた。怯えた私の姿に驚いて近づいてきた次男に「兄さんが誘拐された。警察には絶対に申告するなって」とメモに書いて見せた。すぐにマンションの商店にある現金自動預け払い機(ATM)に飛んで行き、メモした番号の口座に1000万ウォンを送った。携帯電話で男とずっと通話しながら指示を受けた。
入金が確認されると、男は「ひとまず家に帰り、友人に1000万ウォンを借りた後、またATMへ行け」と命令した。「1000万ウォンではいけないのか」と頼むと、「おばさん、瑞草洞〇〇マンションの〇階に住んでいることは分かっている。それくらい何とかなるはずだ」とぞっとするような声が返ってきた。結局、友人に1000万ウォンを借りてまた送った。
男は私との電話を一度も切らなかった。携帯電話で友人から金を借りる時は、自分と通話中の家の電話の受話器を下に置いて話すように命じた。2000万ウォンを送ったが、男はさらに1000万ウォンを要求した。
別の友人に金を借りて3度目の送金をしようとしていた7時30分、次男がATMに駆けつけてきた。母さん、兄と通話をした。その電話は詐欺だ」。息子はすぐに瑞草警察署に申告し、私も電話を切った。警察署に行く車の中でお金を送金した銀行に支払い停止を申請した。しかしすでに男は1800万ウォンを引き出した後だった。
話を聞いた友人は「あなたのように冷静で理性的な人がボイスフィッシングに引っ掛かるのか」と驚いた。私は米国で3年留学した後、30年間、社会生活をしてきた。その私でもだまされるのだから、世情に暗い高齢者はどうなるのかと考えると、ボイスフィッシングが非常に深刻な問題だ。絶対に根絶しなければならない。銀行の支払い停止手続きがもう少し簡単になればいい。
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