世界はいま「頭脳戦争」中だ。国家の未来をかけて高級頭脳の誘致に乗り出している。中国が06年に発表した「千人計画」がその代表例だ。世界100位圏の大学と研究機関で大家級の研究人材1000人をスカウトし、100科学技術分野に投入するということだ。定着金と住宅に加え、破格的な待遇が伴うのはもちろんだ。最近、中国のステルス機「殲20」の開発成功も、こうした積極的な海外頭脳の誘致が土台になったという。結果的に「頭脳戦争」の勝利ということだ。
中国の国家外国専門家局は国際人材交流大会やノーベル賞受賞者フォーラムも開いているが、国際ヘッドハンティング会社と緊密に協力している。海外の高級頭脳を誘致するためだ。目標は「メード・イン・チャイナ(made in China)」から「メード・バイ・チャイナ(made by China)」、中国を製造国から創造国に変えるということだ。このため2014年までに10万人の米国内の中国頭脳が帰国すると見込んでいる。中国が「人材ブラックホール」に浮上したのとG2への成長は軌を一にする。
韓国はどうか。海外人材を誘致するために93年に導入した「ブレーンプール(Brain Pool)」制度は、一時、自主的な帰国が増えたことで、すぐに支援を打ち切った。2012年目標の「頭脳韓国21」は14年間で3兆3000億ウォン(約2500億円)を投じたが、大学間で予算を取り合って終わったのではないかという指摘だ。韓国頭脳流出指数が調査対象61カ国のうち48位であるのも、米国博士学位取得者10人のうち3人しか帰国しないのも、国内大学の外国人学者が3.75%にすぎないのも、すべて理由がある。何よりも研究環境と処遇、子どもの教育環境などが劣るからではないのか。
複数国籍を開いただけで海外の頭脳が集まると考えているなら、それは問題だ。人材1人が10万人を養う時代だ。海外頭脳の誘致を民間企業だけでなく国家的レベルで悩み、対策を立てる必要がある。フランスは頭脳の流出を防ぐため平準化政策を見直し、日本は2020年までに30万人の留学生を誘致する計画だ。世界的に進行している「頭脳戦争」の勝敗に私たちの未来がかかっている。
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