韓国の船舶「三湖(サムホ)ジュエリー号」がまたもソマリア海賊に拉致され衝撃だ。昨年11月にタンカー「三湖ドリーム号」が拉致から7カ月ぶりに記録的な身代金を支払い解放されて2カ月ぶりなのでなおさらだ。さらに昨年10月に拉致された「クムミ305号」と船員らはまだソマリアの海賊に捕えられている状態だ。
政府は昨年、「三湖ドリーム号」事件発生後、様々な対策をまとめているところだった。しかし今回はソマリア近海ではなくパキスタン沿岸で事件が起きたことで政府の対応努力は水の泡となった。この地域で拉致されたケースは今回が初めてという。遠海にまで出てきて海賊行為を行うソマリア海賊に対し海運会社と政府は国際社会とともに多角的で積極的な対応に出なければならない。
政府はソマリア海域を航海する韓国船舶に対し海賊の乗船を防ぐための鉄条網設置、拉致時に救助まで避難できる安全区域の設置、武装保安要員乗船などの対策勧告を検討してきたという。また、政府は昨年、ソマリア沖海賊対策コンタクトグループ(CGPCS)の議長国を担当し、国際社会の共同対処努力を主導していたりもする。しかしますます猛威を振るうソマリアの海賊の出没を防ぐには依然力不足な状態だ。
ソマリアの海賊による拉致事件は2004年の20件から2008年に111件、2009年に217件と大幅に増えてきた。これに比べ国際社会の対応は相対的に中途半端なのも事実だ。米国、日本、欧州連合(EU)、タイ、韓国などが軍艦を派遣しこれらを監視しているが、海賊出没地域があまりにも広くて限界が目立つ。捕まった海賊を司法処理するのも明確な国際法的手続きがない状況だ。
ソマリア近海を通過する船舶の20%以上が韓国船舶であり、韓国の海運物流量全体の29%がソマリア海賊出没地域を通過するという。それなら政府は多少負担が大きくなってもソマリア海賊退治にもう少し積極的に出なければならない。ソマリア海賊が韓国の船員と韓国の経済の喉筋を狙えるように放置してはいけない。
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