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「父を失ってから母にはリュ・シウォンがすべてでした」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

韓国で失踪した棚橋さんの部屋にタレントリュ・シウォンの写真などがきちんと置かれている。



10日午後2時、神奈川県藤沢市のあるマンションを訪れた。棚橋さんが失踪前まで長女のまどかさん、末娘のひなとさんと住んでいた家だ。3人姉妹のうち二女のちさとさんは結婚して家の近所に住んでいる。棚橋さんが使っていた部屋の壁の一面はすべてタレントのリュ・シウォンと関連した物であふれていた。写真、写真入りタンブラー、写真集などがきちんと整頓されていた。

「父が亡くなった後、母にはリュ・シウォンがすべてでした」。ちさとさんが話した。母が失踪した直後に韓国を訪れた娘らはソウルのホテルに残されていた旅行カバンを日本に持ってきた。カバンに付けられた名札にもリュ・シウォンの写真があった。娘たちは「母はリュ・シウォンが行く所ならどこでも付いて回った」とした。日本に入国する時は空港に迎えに行き、韓国に出国する時もまた空港に見送りに行くほどだった。棚橋さんはオレンジ色の服を好んで着ていた。これもやはり「リュ・シウォンが最も好む色がオレンジ色のため」だったという。また、初めての韓国訪問の時に日本語の上手な韓国人タクシー運転手に会ったが、彼を“情報源”としてリュ・シウォンの国内でのニュースを伝え聞くこともした。こうした情熱のためリュ・シウォンも棚橋さんの存在を知っていた。失踪の知らせに接したリュ・シウォンは昨年4月に3人の娘に直筆の手紙を送り慰めた。この手紙で彼は、「レーシングに応援にきて下さり、手袋のプレゼントをくれた姿を思い出します」と記した。


11日夕方に韓国に到着したまどかさんとひなとさんはソウル・大峙洞(テチドン)にあるリュ・シウォンの所属事務所でリュ・シウォンに会うことができた。リュ・シウォンとは初めての出会いだった。所属会社のR’sカンパニーによると、彼らは30分間にわたり話を交わした。主にリュ・シウォンが娘らを慰める内容だったという。

リュ・シウォンは12日、兄であり所属事務所代表のリュ・シグァン氏を通じ自身の立場を本紙に伝えてきた。彼は「とても残念なことだが、まだ悲しむには早く、希望を捨ててはいけない」と話した。その上で、「自分の母のような方で、韓国を本当に愛された方。あの方の服、ヘアースタイル、手ぶり、身振りがすべて思い出されるほど。多くの方が積極的な関心を持ちあの方を探せるよう助けてくれれば」とした。





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