世界景気に楽観的な見方が広がる中、海外リート(REITs=不動産投資信託)への関心がまた膨らんでいる。景気が回復すれば事務室の賃貸などが増え、不動産に投資したファンドの収益率が高まる。インフレリスクを相殺する代案投資にもなる。
リートは不動産に投資するファンドだ。商店街や事務室に投資して発生する利益を配当する。国内で販売される商品は、海外証券市場に上場された不動産投資会社の株式を買う再間接ファンドとなる。投資地域別に先進国に分散投資するグローバルリート、アジアやオーストラリアに投資するアジア・太平洋リート、日本リートなどに分かれる。
リートは08年、グローバル金融危機の直撃弾を受けた。収益率も半分になった。しかし09年からは徐々に不振から抜け出した。昨年はアジア・太平洋リートが好調だった。グローバルリートの成果もよく、6カ月の収益率(10.1%)が海外株式型ファンド(7.88%)を上回った。
最近目を引くのは日本リートだ。昨年上半期まで低調だった日本リートは反転に成功し、巡航中だ。年間収益率は30%近い。最近もこの勢いを継続し、1カ月の収益率7.78%、3カ月の収益率は16.23%を記録している。昨年11月に日本銀行(日銀)が格付け「AA」以上のリートに500億円を投資すると発表したのが収益率の上昇に大きな影響を及ぼしたという分析だ。こうした雰囲気が続けば、今年は日本や米国など先進国リートが有望と考えられる。低金利状況で景気回復に対する期待感が加わり、利益が増えると予想されるからだ。
内在価値に比べて価格が低いのも魅力的だ。ハナ大投証券のファンドリサーチチーム長は「リート市場が完全に回復したとは言いにくいが、米国の商業用不動産価格の下落傾向が鈍化し、空室率も減るなど、底から抜け出す信号が出てきている」と話した。
一方、昨年好調だったアジア・太平洋地域はやや不振だ。新韓金融投資のキム・ジョンチョル研究員は「不動産価格が金融危機以前の水準を回復した香港や不動産市場にややバブルがあるとみられるオーストラリアの場合、価格が負担になった」と述べた。
リートは投資地域によって成果に大きな差が出る。「ハンファ・ラサールグローバルリート」は米国(52.8%)の投資比率が最も高い。オーストラリア(10.19%)と英国(5.99%)がその後に続く。「ゴールドマンサックス・グローバルリート」の投資比率はオーストラリア(47.35%)、米国(22.39%)、香港(9.81%)の順。海外リートは不動産ではなく「不動産会社の株式」に投資するため、不動産市況よりも株式市場の影響を大きく受けるという点も念頭に置く必要がある。
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