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広がる口蹄疫「種牛50頭を守れ」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

獣医科学検疫院の獣医師らが京畿道高陽市の乳牛農家でワクチンを接種している(共同取材団)



雪が降りしきる25日午後、西海岸高速道路瑞山(ソサン)インターチェンジを抜け地方道647号線を南下したた。道路の両側はすでに白い雪が積もっている。330万坪に達する農協中央会傘下韓牛改良事業所の牧場だ。国内唯一の韓牛種牛と精液生産施設だ。ここは全国300万頭に上る韓牛の父親となる牛が住む所だ。韓国の韓牛の95%は人工受精を通じて生まれる。人工受精に使われる精液を生産する全国唯一の施設がここだ。精液生産の任務を与えられた現役の保証種牛50頭と候補種牛74頭が飼育されている。もしここの韓牛が口蹄疫にかかり殺処分されれば、韓牛畜産業は致命的な打撃を受けるほかない。

氷点下10度まで冷え込む寒波に雪まで降ったせいもあるだろうが、口蹄疫の危険のせいか牧場のどこにも目につくところに牛はいなかった。片道1車線の地方道には消毒液を噴霧する広域消毒車両が過ぎ去っていた。忠清(チュンチョン)地域はまだ口蹄疫が発生していないところだが、韓牛改良事業所は9日に本格的な防疫作業に入った。事業所が地方道のすぐ横あるためだ。


事業所防疫担当のイム・ヨンス家畜病院長は、「9日から毎日5時間の間、海美(ヘミ)~雲山間の道路7.5キロメートルにわたり消毒液をまいている」と話した。

雲山面を過ぎると道路を横切り設置された車両消毒施設が現れた。氷点下の天気に雪まで降っていたが、車が通る度に消毒液がまかれた。雪が積もり始めた道路を南に進むとアスナロの木で塀のように囲んだところに出てきた。また左側には「種牛飼育場(Bull Barn)」という看板が見えた。

韓牛改良事業所の職員とは一切会えなかった。瑞山から遠くない天安(チョンアン)のあるシカ農場で21日に口蹄疫疑い例の通報が入ってきた後、43人の職員全員に退勤禁止と外部の人との接触禁止令が出されたためだ。幸い天安のシカ農場は口蹄疫ではないことが明らかになった。関係者の車両は消毒噴霧液をかぶった後で事業所の中に入った。

記者は事業所の前の道路から携帯電話でだけ取材することができた。ウォン・ユソク所長は「万一のウイルス伝染を遮断するためのものと了承してほしい」と話した。

事業所側は万一の口蹄疫感染の可能性を防ぐため16日から種牛の緊急避難作戦に入った。 飼育場と地方道がわずか数十メートルしか離れていないためだ。候補種牛53頭を16、17、22、23日の4回に分け、道路から2.5キロメートル離れた農場内の海抜140メートルの山の上にある第3放牧場に待避させた。だが、非常状況にもかかわらず精液を供給しなければならない現役種牛50頭は残すほかなかった。道路の横の放牧場畜舎はそれでも寒さを避けることができる室内だが、山の上の放牧場は環境がさらに劣悪だ。畜舎南側には壁がなく開いており、氷点下10度の寒さに押し寄せる吹雪にまで耐えなければならない。 

ウォン所長は、「山の上の畜舎は狭いうえ、言葉どおり畜舎にすぎないので作業中の種牛は移すことはできない。そうでなくても来年上半期中に山の上の第3放牧場に精液採取施設などを整えた建物を新築し、道路横の放牧場を完全に移す計画だ」と話した。

事業所はこれまで一部種牛を他の地方に分散配置する作業もしてきた。2002年の口蹄疫発生以後、全羅北道茂朱郡長安里(チョンラブクド・ムジュグンチャンアンリ)に49頭を送ったほか、今年5月にも慶尚北道英陽郡竜化里(キョンサンブクド・ヨンヤングン・ヨンファリ)に27頭を送った。瑞山の種牛が口蹄疫にかかっても他の地域で種牛の命脈をつなぐための措置だ。今年2月初めには坡州(パジュ)にあった精液全国補給所も大田(テジョン)に移した。 

ウォン所長は、「種牛が口蹄疫で抹殺されるなら1983年から育成してきた韓牛改良基盤自体が崩れる深刻な状況。再度原状復旧するとしても最低10年以上かかるだろう」と話した。

写真=口蹄疫ワクチンの接種を開始した25日、獣医科学検疫院の獣医師らが京畿道高陽市の乳牛農家でワクチンを接種している(共同取材団)



広がる口蹄疫「種牛50頭を守れ」(2)

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