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【社説】「2万ドルの罠」から抜け出してこそ先進国になれる

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
来年は単なる一年ではない。今年は21世紀最初の「新十年」の最後の年だが、来年は2度目「新十年」の元年となる。この10年に国家の命運がかかっている。1人当たりの国民所得3万ドルを超える先進国に進入できるかどうかが決まるからだ。外国の場合、2万ドルを達成した後、5-8年後に先進国になっている。この期間、先進国になれなければ、韓国の未来は絶望的になるかもしれない。

この10年間は韓国が「2万ドルの罠」から抜け出せず立ち止まった時期だった。成果がないわけではなかった。史上初めて世界経済のルールを制定する主要20カ国・地域(G20)会議のメンバーになり、新興国では初めて首脳会議も開催した。07年に達成しながらも金融危機で後退したが、他国よりはるかに速いペースで景気を回復させ、今年また国民所得2万ドルを達成した。しかし冷静に見ると足踏み状態だった。世界経済に占める地位は10年前も今も大きく変わっていない。経済規模は世界10位圏から昨年は14位に落ち、1人当たりの国民所得は相変らず世界40位圏にとどまっている。中国やインドの追撃のためでもあるが、根本的には韓国の成長能力が減退し、躍動性が落ちたためだった。

その代表例に潜在成長率の持続的な下落が挙げられる。物価を上昇させずに生産資源を最大限に稼働した場合に達成できる潜在成長率が、1980年代の平均8%から昨年は3%台に落ちた。今後の10年間にさらに落ちるのは確実だ。少子高齢化の加速で経済活力が大きく落ちるからだ。政府は潜在成長率の向上、すなわち成長能力の回復と躍動性の強化に全力を注がなければならない。そのためには経済と政治・文化など全社会分野のシステムアップグレードが切実だ。高い成長率と開発事業だけに固執した「2万ドルシステム」では足りない。


にもかかわらず政府は相変わらず足踏みしている。先日発表した新年経済政策方向でも全般的なシステム革新に関する言及は少なかった。5%の成長率目標が大きく強調され、それとともに物価上昇率を最大限に抑えるという矛盾した政策も出した。予算と同じく親庶民と福祉も強調されたが、生産潜在力拡大計画はほとんど目につかなかった。短期成長と人気にこだわっているのではないか懸念される。

今からでも今後10年を眺めて成長軸を新たに組み直さなければならない。成長動力確保のための多様な戦略と制度の整備が最も急がれる。ますます競争力が落ちているサービス産業をまず改革する必要がある。営利医療法人の設立、弁護士など専門資格保持者の進入規制から緩和されなければならない。新種産業の育成と高付加価値産業構造への転換のための制度的後押しはもちろん、生産性を高めるための教育投資も至急の課題だ。システム改革がなければ「革新-統合-開放」の循環は不可能だ。先進国入りも難しくなる。短期成長にこだわる2万ドルシステムから抜け出せなければ、私たちの未来は暗い。



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