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【社説】乱闘国会が作ったつぎはぎの税制

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
来年度予算案処理をめぐり乱闘騒ぎを起こした国会が、国民の経済生活と直結した税制改編案はまともな審議すらできないままつぎはぎで作り上げた。一昨日に予算付随法案として来年度予算案とともに通過した税制改編案は与野党の政略とポピュリズムに振り回され、当初の改編方向の形態がわかりにくくなるほどに毀損された。与野党は今年の予算審議に先立ち、所得税と法人税の最高税率引き下げをめぐる議論を行い、ことさら真摯に税制改編案を議論する風だった。しかしいざ税制改編案を審議する企画財政委員会では、所得税と法人税引き下げ問題に結論を出せず、来年に処理を先送りしてしまった。特に所得税はわれわれが最も現実的な対案として提示していたように最高税率適用範囲(1億ウォン)を新設する折衷案に与野党が合意したが、野党が終盤で反対に転じ、与党すら「自中之乱」(内輪もめ)に陥り処理は失敗に終わった。「金持ち減税論」というポピュリズム議論の中で与野党が1カ月以上大騒ぎしても常任委員会では何の決定もできないのだ。「金持ち減税」が問題だったなら、高額所得者の税金逃れを防ぐために導入しようとしていた「税務検証制度」は当然、今回の税法改正案に含まれていて当然だ。しかし国会はこれをまともに審議もせず保留させた。税制改編に一抹の原則や一貫性も見つけられない韓国国会の実像だ。

30年間続いた「臨時投資税額控除」を廃止する代わりに雇用実績と連係した「雇用創出投資税額控除」で代替しようとした改編計画は与野党の無原則な駆け引きの中でつぎはぎとなった代表的な事例だ。国会は臨時投資税額控除の控除率を現行の7%から5%(首都圏は4%)に引き下げて存置させ、当初は雇用創出1人あたり1000万ウォンずつ、設備投資の7%まで控除しようとしていた雇用創出投資税額控除は控除率を1%に引き下げて導入することで妥協を見せた。そうするうちに企業投資に対する税制支援の目標が何だったかがわからなくなり、効果も計りにくいつぎはぎ税制になったのだ。

憲法が租税法定主義をとり、税目と税率を国会で定めるようにしているのは、国民の生活と直結した税金を政府が独断的に決められないよう国会が徹底して審議せよという意味だ。したがって税制改編審議は国民が国会に付与した最も重要な役割のひとつということだ。しかし国会が毎回政府が提出した税制改編案を改悪し、税制をつぎはぎにしたのは国会の本分を忘却した処置と言わざるを得ない。われわれはその理由が税金問題すら政略とポピュリズムでアプローチする政界の旧態から始まったとみる。政界がこうした旧態から脱するにはなにより税金問題を扱う時くらいは政略とポピュリズムを振り払い、国民経済の総体的発展に合致する経済論理を徹底に武装すべきだ。また国会議員各自は税制改編が利益集団のロビーや政治的かけひきの対象となっては決してならないという括弧とした認識を持たなくてはならない。そうでなければ来年もつぎはぎの税制が改善される見込みはない。

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