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【社説】北朝鮮の心理戦にもてあそばれた韓国の情報能力

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
延坪島(ヨンピョンド)事件は韓国の北朝鮮情報能力を振り返らせる。特に国家情報院の元世勲(ウォン・セフン)院長が1日に国会に報告した内容を見ると、北朝鮮軍の動きに対する情報収集から分析・判断・管理・活用に至るまで、情報能力が総体的に弱いという感はぬぐえない。

元院長は8月に北朝鮮が西海5島に大規模攻撃を敢行することを認知していたが、何の措置も取らずにいたと認めた。8月に盗聴されたものが「秘文」ではなく「平文」で行われた無線通信内容で、北朝鮮が普段から脅威的な言動をしていたため民間人攻撃までは予想できなかったという。また軍では陸地ではなく西海(ソヘ、黄海)の北方限界線(NLL)南側海上に攻撃するものと判断したという。実際の延坪島攻撃当日に北朝鮮は有線で通信し盗聴が不可能だったため陸地に対する攻撃を予想できなかったのだ。

結果的に韓国の情報当局と軍は北朝鮮の心理戦に徹底してもてあそばれたことになる。北朝鮮は韓国の情報能力を手のひらを見るように把握しており、無線通信には多くの暗示を盛り込み油断させておいて、実際の攻撃作戦は盗聴できない有線通信を使ったのだ。「知彼知己なら必勝」の公式が反対になったもので、もどかしいばかりだ。


韓国軍は北朝鮮軍が延坪島攻撃直前に放射砲を前進配備し、戦闘機を近くの飛行団に配備するなど異常な兆候をとらえていた。しかしそのままにしていた。その状況さえしっかりと分析・判断し備えていたならば、状況は大きく変わっていたかもしれない。これだけではない。北朝鮮は1月にNLL北側海域に、8月には南側海域まで大規模砲射撃を実施した。韓国の忍耐の限界をテストしたものだ。その末に放射砲部隊と戦闘機を投入する準備を経て延坪島攻撃を敢行した。韓国の情報当局はこうした兆候をまともに結びつけられなかったのだ。

北朝鮮情報能力が弱まったのは、この10年間の太陽政策のせいだという指摘が多い。そういう側面はなくはないと思う。しかしいつまで過去の政権のせいにばかりしているのか。問題点があれば補強し再整備するのが当然だ。近代戦は情報戦で決着がつくと言わなかったか。関連機関の奮発を促す。



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