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先月23日の北朝鮮による延坪島(ヨンピョンド)攻撃に対応して、韓国軍が発射したK-9自走砲80発の砲弾の相当数が、北朝鮮の軍事施設でないところに落ちたことが明らかになり、論議を呼んでいる。
韓国軍は北朝鮮の攻撃後、K-9自走砲3門で1次対応射撃(午後2時27分-3時15分)として50発を北朝鮮茂島(ムド)海岸砲部隊陣地に発射した。2次対応射撃(午後3時25-41分)当時は、K-9自走砲4門でケモリ海岸砲部隊陣地に向けて30発を発射した。
ケモリ陣地の場合、衛星写真会社デジタルグローブの先月26日の撮影写真を分析した結果、K-9自走砲被弾痕跡は14カ所と確認されたが、すべて田畑に落ちたことが明らかになった。道を挟んだ北朝鮮軍放射砲6台の展開場所には被弾痕跡がなかった。
デジタルグローブ衛星写真によると、北朝鮮はここを含めて計4カ所に24台の放射砲を配置した痕跡が確認された。デジタルグローブは残り3地域については、韓国の自走砲被弾地点を表さず、放射砲が配置された道だけを表した。
デジタルグローブ衛星写真に出てきた被弾痕跡がすべてなら、ケモリ陣地の北朝鮮被害はほとんどない。1次射撃とは違い、10分間の準備時間があった2次射撃でこうした結果なら、非難は免れないという指摘だ。
これに対し合同参謀本部の関係者は「われわれの諜報分析の結果、放射砲陣地を中心に(放射砲)6門一帯に多数の弾着が形成されたのを確認した」と述べた。解像度が高い写真や諜報を総合した結果、商業衛星で確認できない北朝鮮軍の被害が確認されたということだ。軍当局はこの情報資産が在韓米軍所有であるため公開できないという。
茂島の場合、国会情報委が公開した衛星写真によると、全体50発のうち15発の弾着が確認された。このうち3発が幕舎付近と軍施設に落ちたことが分かった。K-9自走砲の殺傷範囲は50x50メートル。この範囲内に北朝鮮兵士がいたとすれば人命被害が発生した可能性が高い。
前日、元世勲(ウォン・セフン)国家情報院長が計45発の弾着点を確認したと明らかにしただけに、現在まで衛星写真を通して弾着が公開された陣地(ケモリ14発・茂島15発)を除いた約16発の弾着地点さえ確認されれば、韓国側の対応射撃の正確度が明らかになる。
しかし延坪島海兵部隊のK-9自走砲対応射撃は期待に及ばなかったという指摘が出ている。全体80発を発射し、商業衛星を通して現在まで命中したと判読されたのは3発にすぎないからだ。対砲兵レーダー(AN/TPQ-37)が正常に作動しない点まで考えると、批判は避けがたい。K-9自走砲は韓国軍が‘名品’武器に選定し、海外輸出を推進してきた武器だ。北朝鮮軍もK-9自走砲の威力を警戒してきた。
一方、シン・インギュン自主国防ネットワーク代表は「砲射撃は数発の修正射撃を通して距離と偏差を調整した後、目標物に打撃を加えることができる」とし「当時は差し迫った状況で修正射撃をする時間がなかったし、射撃を誘導する偵察装備がなく、命中率が落ちるしかなかった」と説明した。
ケモリ陣地打撃の場合、16キロの距離で100メートルの誤差が発生したのは、K-9自走砲の基本性能より優秀だという評価もある。K-9自走砲のカタログには、40キロの距離で射撃する場合、誤差は400メートルと表示されている。
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