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【社説】世界10位の経済大国で「サウナ難民」とは…

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
23日の北朝鮮による砲撃挑発以後、延坪島(ヨンピョンド)を脱出した住民1300人余りが仁川(インチョン)でつらい“難民生活”を続けている。延坪島の全住民1371人のうち1343人が陸に逃げサウナとモーテル、親戚の家、病院を転々とする。特に1000人余りが集まった仁川(インチョン)のあるサウナは“避難民待避所”に変わった。動くことさえ大変な高齢者たち、生業を置いて家を離れた家長、戦争が何かも分からない子どもたちが入り交じり大変な混雑だ。“サウナ難民”らは背中を丸めて寝て、無料で提供されるクッパで空腹をしのいでいる。狭いモーテルの部屋では家族4人が5000ウォンのクッパで食事をすませる光景も多く見られる。

世界10位圏の経済大国だと自画自讃する大韓民国で広がっている情けない自画像だ。どこの国で敵軍が突然に発射した砲弾の恐怖から住み慣れた故郷に背を向けた住民たちをサウナに放置するのか。彼らを国家予算で保護しない国が本当にG20首脳会議主催国なのか。漁船に頼った住民のエクソダス(脱出)をぼんやりと見つめながら臨時の住居も用意できない青瓦台(チョンワデ、大統領府)地下バンカー会議は何をしようとしていたのか。無償給食費で数百億ウォンを支出する仁川市(インチョンシ)は自分の管轄住民たちの救護費用に充てる金さえないのか。フィリピンが有事の際に韓国に滞在中のフィリピン人労働者らの待避策をまとめるよう指示したというニュースが私たちを恥ずかしくさせている。 避難民は帰るには不安で、居座るには生計手段がきびしい。ほんとうに惨憺とした境遇に違いない。だが、これまでに政府が出した具体的な対策は、延坪島に特別交付税10億ウォンを支援するというのがすべてだ。防衛対策や待避施設の確保の手をとめ今回の事態を引き起こした政府がこういう態度を見せるというのは話にならない行動だ。

現在延坪島には住民28人が残っている。仁川に移った住民が戻らなければ延坪島は“無人島”あるいは“幽霊の島”になる公算が大きい。延坪島が無人島になれば北方境界線(NLL)に沿って続く牛島(ウド)をはじめ、小青島(ソチョンド)~大青島(テチョンド)~ペクリョン島など西海5島にはドミノ現象が広がるだろう。実際に北朝鮮の砲撃以後、ペクリョン島・大青島・小青島からも数百人が島を脱出した。どんなことがあっても“国民のいない領土”としておくことはならない。これはNLLを無力化しようとする北朝鮮の策略に巻き込まれる結果を招き、より大きな挑発の口実を提供することになる。


遅まきながら与党が「西海5島支援特別法」をまとめ、きょう提出することにした。西海5島の住民たちに対する経済的支援を目標にした開発計画が骨子だ。幸いなことだ。だが、これよりもっと急がれるのは、住民たちが安心して生業に従事できるよう西海5島を軍事的に要塞化しなければならない。北朝鮮の攻撃を十分に撃退することができるという信念を住民たちに与えられるよう戦力を増強し、待避施設を完ぺきに作らなければならない。 卓上行政で時間を長引かせず「西海5島政策」を早く、しっかりと執行すべきだ。

いま韓半島は朝鮮戦争以来60年ぶりに最悪の事態に直面している。国民の間では全面戦争に対する懸念が急速に広がっている。事実上の準戦時状態だ。どんな状況でも国民の生命と財産を守るという信頼がある時、国民も北朝鮮の挑発に毅然と対抗する勇気を持つ。国民保護は国家の最初の存在理由だ。



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