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「11月23日、黄海南道カンリョン郡プポ里(ファンヘナムド・カンリョングン・プポリ)。カンリョン半島にある北朝鮮4軍団33師団。師団直属砲大隊のケモリ海岸砲中隊に戦闘命令が通達された。本物の戦闘開始信号だ。北朝鮮の兵士らは訓練を受けた通りに行動した。兵士たちは山の裏側の斜面に沿って深く掘られた塹壕を過ぎ、100メートル余りを上がった後防空壕を経て坑道に入った。海岸砲中隊は海岸の絶壁を挟んだ海側斜面の坑道の中に配置されている。その中で76.2ミリ砲座台に射撃手と照準手が座った。山頂の坑道にある指揮小隊から座標と照準角度指示が下った。見慣れた延坪島(ヨンピョンド)の地形地物だ。海岸砲は信号により一斉に発射された。13分後。延坪島に配置された南側海兵K-9自走砲が海岸砲中隊施設を強打した。兵舎と食堂など地上施設を破壊した。しかし山の中を掘って作った坑道にいる兵士たちに被害はなかった。南側の1次対応射撃が終わるとすぐに座標がまた通達された。発射14分後、また延坪島にある南側のK-9自走砲が攻撃した。しかし坑道内の北朝鮮兵士らには何の被害がなかった」。
以上は仮想状況だ。今回攻撃をした北朝鮮4軍団33師団海岸砲で勤務経験のある脱北者と元4軍団関係者の証言を総合して作ったものだ。彼ら脱北者は今回の海岸砲攻撃は北朝鮮4軍団33師団直属砲大隊のケモリ海岸砲中隊が動員され、北朝鮮軍に被害はほとんどないと指摘する。
■作戦開始時は金父子の肖像画から管理
4軍団33師団で勤務したキム・ソンチョル氏(48・仮名、6年前に脱北)は、「延坪島砲撃はカンリョン郡プポ里、すなわちカンリョン半島を管轄する4軍団33師団直属砲大隊所属ケモリ海岸砲中隊がやったもの」と述べた。彼は「4軍団33師団は海州(ヘジュ)から甕津(オンジン)まで海岸砲で防御し、156連隊がカンリョン半島防衛の責任を負う。ケモリ海岸砲中隊は156連隊砲大隊所属」と話す。また、「放射砲は33師団26連隊の122ミリ砲大隊が動員されただろう」としている。
彼は、「南側のK-9自走砲攻撃にもかかわらず、海岸砲作戦を開始する前にすべて坑道に入ったため北朝鮮軍の人命被害はほとんどないだろう」と話した。準戦時体制が宣言されればすべての兵士は坑道に入ることになっているため、先制攻撃を敢行した今回の場合が準戦時に当たるという。また、「師砲軍(師団砲隊)作戦では軍団砲兵副司令官、砲参謀ら、師団長、砲兵副師団長、砲連隊長、砲大隊長などが総出動するため人命被害が出るように放置することはない」とした。
延坪島を先制攻撃した後に韓国海兵隊の攻撃を受けた北朝鮮が受けた被害に対する公式評価はまだない。合同参謀本部は26日の定例会見で、「北側の被害を分析しようとしているが制限的に確認されている。ムドとケモリ地域に火災が発生し、ケモリ地域には多数の被弾痕が確認され、ムド地域でも被弾した痕があった」と明らかにした。「1発の殺傷範囲が5050メートルのK-9自走砲が北朝鮮の海岸砲基地テントなどに集中砲撃を加え北朝鮮は少なからぬ被害を受けたとみている」とした。
「戦闘時には全員が岩窟に、砲弾受けても人命被害なし」(2)
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