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【取材日記】緻密ではない韓国政府、日本に半分負けた交渉

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
パク・サングク韓国文化遺産研究院長は過去18年間、文化財返還運動に専念してきた。

パク院長が9日伝えた話。今年8月、菅直人日本総理が「朝鮮総督府を通じて搬出され、日本政府が保管している韓半島由来の図書を引き渡す」という談話を発表した後、両国間の交渉は始まった。

まず日本の宮内庁に所蔵された帝室図書の返還をめぐり、両側の論理戦が起こった。帝室図書とは朝鮮の医学・慣習などを紹介した本だ。韓国政府は「宮内庁所蔵の本に『帝室図書之章』という赤い印が押されているものと見て、この本が日帝強占期に大韓帝国帝室図書館と奎章閣(キュジャンカク)にあったことは間違いない」と主張した。赤い印は1909年、全国に散らばっていた帝室図書を1カ所に集めて押した。そのため日本の宮内庁にあるものなどは1910年以後、朝鮮総督府を経て行ったという主張だった。


ところが。日本の宮内庁の帝室図書に押された印は現在、韓国に保管されている帝室図書とは違うという。日本政府は「植民統治以前に韓半島から渡って来たものであり、1903年から我々が『帝室図書之章』という印を作って押した」と証拠資料を突き付けた。植民統治以前に渡って来たものだから今回の返還の対象に含めることはできないということだった。韓国政府は反論する論理や証拠もなかった。正確な流出経緯把握や資料分析なしに出た韓国と、抜け穴をすべて作っておいて論理的対応に出た日本の交渉は、始まる前からすでに勝負が決まっていたわけだ。「半分のコップの水でも飲まないよりましだ」という韓国政府の外交的立場を理解する。

民間ではない政府間交渉を通じて、こんなに早く文化財を返してもらうようになったことも国際社会では珍しいことだ。喜ばしいことだ。「中央日報の報道(3月24日付1面)が今回の文化財返還の決定的きっかけとなった」というお祝いの電話が何本かかかってきた。しかし何か気まずさを収めることができない。「日本側の説明に、韓国側の専門家たちが納得した」という韓国外交部当局者の発表が心に引っかかるのだ。「韓国側の説明に日本側専門家たちが納得した」という外交当局者の言葉を聞きたいのが韓国民の心であるだろう。“半分成功”が残した教訓と同時に課題だ。

金玄基(キム・ヒョンギ)東京特派員





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