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『彼らが話さない23種類』
張夏準(チャン・ハジュン)著
キム・ヒジョン、アン・セミン訳
BOOKIE、368ページ、1万4800ウォン(約1100円)
「『経済理論で証明された話だ』『すべて明らかになっていることだ』という主張がどれほど事実でないことが多いか、一度話してみたかった」。
『彼らが話さない23種類』の著者、張夏準ケンブリッジ大教授は10月27日に行った記者懇談会で、執筆の動機をこのように説明した。 「‘確実’と信じているものも詳細に見ると砂の城のようなものだった」という言葉も付け加えた。
ターゲットは自由市場主義だ。 この30年間、ほとんどの国が自由市場政策を推進してきたが、結果は約束したものと正反対だったということだ。 08年の米国発世界金融危機がこの本を書く決定的な契機となった。 「手綱が緩んだ資本主義に対する盲目的な愛から目を開き、よりよく規制された違う種類の資本主義にしなければいけない」というのが張氏の結論だ。
『彼らが話さない23種類』には、「米国経営者は報酬をあまりにも多く受ける」「金持ちをさらに富ませても私たちがみんな金持ちになるのではない」「金融市場は効率性を低める必要がある」「米国は世界で最も良い暮らしをする国ではない」など論争的な主張が数多く含まれている。 福祉と教育に対する問題を経済につなげて説明した部分も目を引く。
懇談会で張教授は▽普遍的福祉が重要▽韓国経済は製造業を捨てるべきでない▽韓国が先進国と自由貿易協定(FTA)を締結すれば長期的には打撃を受ける--と主張した。 特に製造業について「中国の追い上げで勝算がなくなるため金融のような高付加価値サービスをすべきだという人たちがいるが、なぜ追い上げてくる人ばかり怖れ、先を行く人は怖れないのか」とし「過去に造船産業を発展させたように、保護貿易もし、補助金を与え、製造業をしっかりと育てるべきだ」と指摘した。
張教授は「資本主義をよりよいシステムにするために批判的かつ多面的に見る視点を持つことが重要だ」と繰り返し強調した。 先月初め英国で出版された『彼らが話さない23種類』は、今月、ドイツ語版・韓国語版が登場した。オランダ・台湾・日本・ロシア・タイでも出版される予定だ。
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