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世界的な産業デザイナー、カリム・ラシッド氏(50)が中央日報との電子メールインタビューで、「多くの韓国企業には官僚主義文化があり、安定したデザインばかり追求している」とし「韓国の産業デザインはもう少し保守的な面から抜け出し、人間的に変わるのがよい」と強調した。
韓国人は創造的デザインに対する欲求が強いが、デザイン水準はこれに達していないということだ。ラシッド氏が韓国企業のロールモデルに提示したのはアイフォーンをデザインしたアップル社。
ラシッド氏は「三星・LGは優れた製品をつくる。しかし目を引くようなデザインは出せていない」とし「デザインで企業のアイデンティティーを持つために、アップルのようにビジョンのあるデザイナーを使う必要がある」と指摘した。
ラシッド氏はエジプト系米国人で、ソニー・プラダ・アウディなどグローバル企業の家電製品・ファッション小物・インテリアなどをデザインしてきた。明るい色と曲線を活用したデザインが特徴だ。ラシッド氏がデザインした製品の一部はニューヨーク現代美術館など世界の美術館・博物館に展示されている。
8-10日にソウル蚕室(チャムシル)体育館で開かれる産業技術知識コンサート「テックプラス2010」(知識経済部・中央日報主催)に参加し、「創造的デザイン」をテーマに講演する。
以下はラシッド氏との一問一答。
--大衆があなたのデザインに熱狂する理由は何か。
「特定領域に縛られていないからだ。ファッションと美術、製品とインテリアなどを行き来しながらデザインする。今は多くのデザイナーがそうしている。人々は良いデザインを知っている」
--あなたが追求するデザインは。
「人間的なデザインだ。現代のデザインは冷たく、非人間的な傾向がある。私はこうした時代であるほど、もっと温かく癒せるデザインをするべきだと考える。デザインを見る人に喜びを与えられなければいけない」
--韓国のデザインの問題点は。
「韓国企業は製品のデザインが保守的だ。あまりにも機能に集中する。グローバル市場を目標にデザインする必要がある。特に大手企業は新しいデザインにともなうリスクが少ないので、革新的・実験的なデザインを試みるのがよい」
--デザイナーとして有名になる前は、仕事を得るためにニューヨークでホームレスのような生活したと聞いた。就職難に苦しんでいる韓国の若者に何か助言してほしい。
「他の人と同じであってはいけない。真似をすべきでない。すべてのものが速く変わっているので、他の人と違う考えをしてこそ生き残ることができる」
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