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中国内陸に接した内蒙古は黄砂の発源地のうちの1カ所だ。一面、黄土の高原だ。中国発の激しい黄砂は韓国にも頭痛の種になって久しい。
内蒙古がさつまいも畑に変わればどうなるか。韓国と中国の科学者たちが内蒙古の砂漠化拡散を阻んで農民所得を高める一挙両得の夢を開こうと団結した。両国が共同設立した韓中科学技術協力センターがその産室だ。両国の韓国生命工学研究院と中国農業科学院さつまいも研究所が作ったこのセンターは、今年に入って初の事業として内蒙古地域クブチ砂漠に試験用さつまいもを植えた。砂漠化を阻む作物としてさつまいもが最適だという判断からだ。
まず30品種を育て、日照りによく耐えるものを選別することにした。今年9月、韓中の科学者たちがさつまいもの根がどうなっているか掘ってみた。さつまいもの根には太い根が走っていた。普及作物としてさつまいもを選んだのは、日照りにわりとよく耐えて、収穫量があり、じゃがいもより高収益作物だという点からだった。その上に根と葉は家畜飼料として使うので捨てるところがない。土を固定する力も強い。これまでこの地域は農民たちが過度に家畜を放牧して木を焚べたせいで、草や木が荒廃したようだった。これが砂漠化を進展させる悪循環を繰り返してきた。
内蒙古地域の土壌や気候と相性が合うさつまいもの品種をきちんと普及させれば農民の立場で家畜飼料を得て収益性が高く、皆が栽培に飛びつくものと研究陣は期待した。クブチ砂漠は黄河に近く、まだ地下に湿り気が多いため、ある程度の作物栽培が可能だ。生命工学研究院のクァク・サンス博士は試験栽培を通じて選んださつまいもの品種の遺伝子を操作して、日照りに強い品種を作ろうと実験している。日照りに耐える遺伝子を分離し出す段階まで来ている。
さつまいもやアルファルファのような作物を砂漠で栽培するためには防風林が緊要だ。畑を砂漠の激しい風から保護しなければならない。これも研究チームに課された課題だった。
最近、クァク博士チームと国立山林科学院、慶尚大学共同研究陣が解決の糸口を見つけた。日照りに強いポプラを開発したのだ。まずクァク博士と慶尚大ユン・デジン博士チームが共同開発した日照り耐性遺伝子を、国立山林科学院が開発した花の咲かないポプラに組み込んで新品種を作ることに成功した。クァク博士は「中国では毎年、済州(チェジュ)島の面積の1.5倍くらいになる地が砂漠に変わる。90%ほどが無意図的な家畜放牧と濫伐のために起きる」と述べた。また「生命工学を動員して農民所得を上げながら砂漠化の進展を阻むことができる」と強調した。
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