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【コラム】米中の為替葛藤を仲裁するには

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
為替問題は主要20カ国・地域(G20)首脳会議で避けられない主題の一つになった。議長国としては適切な矯正の枠を準備するしかない。

米国は長期にわたり韓日中など東アジア国家の市場的な役割をしてきた。東アジア国家は米国市場の開拓を通して経済発展を追求してきたのだ。米国はこうした国に市場を譲りながらも、これらの国が蓄積した保有外貨を安値で活用し、経常収支赤字を埋めることができた。

しかし08年の金融危機で米国金融産業に簡単には治らない疾患が発生した。もう米国はこれ以上、東アジア国家の市場になりにくくなった。さらに製造業の輸出増加など非金融産業を発展させ、金融産業の委縮を埋めようとする政策転換を図っている。


こうした事情で、米国は市場に最も勢いよく入ってくる中国を1次標的とし、自国市場を防御するために人民元切り上げを強力に要求しているのだ。しかし中国産低価格製品の大量輸入は米国の物価安定に大きく寄与している。人民元を大幅で切り上げれば、中国製品の対米輸出は大幅に減るだろうが、その代わり米国の生活必需品価格を急騰させ、庶民の生活を脅かすことになる。したがって人民元切り上げは誘導するものの、徐々に進めるのが米国経済としても合理的な選択だ。

一方、中国は1985年のプラザ合意以降、日本経済が長期沈滞に陥ったという事実に注目している。このため人民元切り上げに強く反発しているのだ。

明確に認識しなければならないのは、日本経済の沈滞は円高よりも円高克服のための対応方式に問題があったためだ。日本は円高を活用して内需を増やし、厚生水準を高めようとするよりも、コスト削減、生産性の向上にばかり力点をおいた。このため供給能力は向上したが、国内の需要はむしろ委縮し、需給不均衡を深めたのだ。

中国も貿易黒字の増大にこだわるのではなく、人民元切り上げを善用し、内需を適切に拡大させていくのが有利だということを知るだろう。こうした論理に基づき、適正水準の人民元切り上げは米国経済の安定に、そして中国経済の健全な発展に有利だという点を理解させていけば、通貨戦争にまで飛び火するのは避けられるはずだ。

イ・ジョンユン韓国外大名誉教授



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