オバマ米大統領が来月１１日からソウルで開催される主要２０カ国（Ｇ２０）首脳会議で、中国の希土類（レアアース）輸出制限問題を議題として提起する可能性があるとホワイトハウスが明らかにした。ギブス報道官は２６日、「われわれはオバマ大統領がＧ２０首脳会議の参加期間に中国の胡錦涛国家主席に会うものとみている」としてこうした考えを示した。米国がＧ２０首脳会議でレアアース問題を持ち出す場合、国際社会における主要イシューとして表面化する可能性が大きい。特に人民元の切り上げ問題とともに中国を圧迫する姿勢が目立ち、両国間の対応をめぐる影響も予想される。ギブス報道官は中国が日本に次いで米国と欧州などにまでレアアースの禁輸措置を取るというニューヨークタイムズの報道と関連し、「米国が独自に調査を行っている」として最終結果は出ていないと明らかにした。

ニューヨークタイムズは１８日から中国税関が米国と欧州に輸出される予定だったレアアースに対する通関手続きを一斉に遅らせていると報道した。これに先立ち昨年米国、欧州連合（ＥＵ）、メキシコなどはレアアース埋蔵量の３０％と供給量の９０％を占める中国が輸出制限を通じて中国国内の生産者に不当な利得を与え、海外メーカーを差別しているとして世界貿易機関（ＷＴＯ）に提訴している。これに対し中国外交部の馬朝旭報道官は２６日、「レアアース資源を管理・統制することは中国の主権に該当するもので、これはＷＴＯ関連規定にも適合するもの」と主張した。また、「重要な自然資源輸出を制限することは世界各国の普遍的な方式で、この問題で中国を非難するのは道理に合わない」と反論した。