香港では通勤ラッシュ時に駆け込む会社員はあまり見られない。この時間帯には１分おきに配車されるため、寸時を争って電車に乗りこむ必要がない。代わりにプラットホームは次の電車を待つ人々でいつも混雑する。

その短い時間に香港の会社員たちはスマートフォンを持ってインターネットに接続する。昨日、出勤途中に地下鉄で会った２０代会社員の黄さんは、スマートフォンで韓国の人気女性グループ「２ＮＥ１」のミュージックビデオを見ていた。韓国大衆音楽のどこがそんなによいのかと尋ねたら「強烈で音楽が良くてひかれる」と言う。

黄さんは「楽に座って２０～３０分の音楽番組を見ることはない。このように空いた時間ができたら短い５分の動画を見るほうがいい」と言う。人口７００万人のうち早い動画送受信が可能な３Ｇサービス加入者が５００万人が超える香港で、こうした姿は不慣れな風景ではない。


香港では３Ｇサービス専用スマートフォンが大勢だ。三星（サムスン）、アップル、ノキアなどスマートフォン会社が競争するように新しい機種を出し、数カ月にもならないスマートフォンが中古市場にたくさん出回る。

数カ月前、世代を問わずスマートフォンを買って持ち歩く人々が多くなかったが、今は当然な姿になった。流行がすぐ広がる香港ではニュースでも動画でも歩き回りながらモバイル機器を通じて消費するのが不慣れではない風景だ。

モバイル文化が生活に深く入ってきて、このごろ香港の地下鉄ではフリーペーパーを読む人も大きく減った。







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