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【社説】白菜価格の高騰にも登場した‘扇動合金術’

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
数年前から韓国社会では、問題が膨らんだ場合、これに偽りと怪談を織り交ぜて社会的不安を増幅させる奇異な現象が起きている。あえて名付ければ‘扇動合金術’だ。核心反政府インターネット・市民団体活動家や野党が主導すれば、純真無垢な市民・学生が後に従う。

集団的扇動の代表例は08年夏の米国産牛肉BSE(牛海綿状脳症)波紋だ。この波紋後、主要問題が浮上する度に‘扇動合金術’が作用している。天安(チョンアン)艦は国軍46人をの命を奪った北朝鮮のテロだったが、扇動家は各種‘事故怪談’をまき散らした。ついに第1野党が北朝鮮の行為を糾弾する決議案に反対するという珍しい事態が生じた。懸案の性格と規模は異なるが、4大河川事業に対しても野党と一部の市民団体は「大運河用」だという扇動をあきらめずにいる。

白菜の高騰でも例外なく扇動の幽霊が登場している。民主党は4大河川事業で川沿いの野菜耕作地が減り、野菜の価格が暴騰したと主張している。また「4大河川事業は環境だけを破壊するものと思っていたが、民生までも破壊している」と刺激的に政府を攻撃する。民主党の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)新代表までが「政府は4大河川事業の河川敷の農地が全体の1.4%にすぎず、野菜価格の急騰とは関係がないと言うが、農産物は生産量10%の差で価格が50-60%変わるという点を見過ごしている」と主張した。


民主党の主張は基礎的な算術とも合わない。河川耕作地が全体耕作地の1.4%にしかならず、この中でも白菜の耕作地は一部にすぎないが、なぜこれが白菜価格の暴騰の原因になるのか。これはいくつかのホテルが閉鎖されたため全国のホテル宿泊費が暴騰したという主張と似ている。BSE(牛海綿状脳症)の人間感染の確率は1億分の1にもならないが、米国産牛肉が危険だと主張したのとも似ている。

周知のように白菜価格の暴騰は、今春の異常低温、夏季の猛暑と暴雨、そして冷害など自然現象と複雑な流通構造が結合した結果だ。自然現象は人間の力でどうすることもできない。しかし政府と地方自治体は消費生活の安定のため需給対策にもう少し迅速かつ緻密に取り組む責任がある。野党はこの点を促して流通構造改善策を出すのが正しい。白菜高騰と関連したインターネット上のあきれるような怪談を収拾し、民心を安定させることも、野党を含む政界の役割だ。にもかかわらず、むしろ怪談に便乗するから、典型的な政治扇動だという批判を受ける。白菜高騰の原因が4大河川とは牛も笑い出しそうだ。政府は白菜価格が近いうちに逆に暴落するおそれがあると説明している。江原道(カンウォンド)などの高冷地作物状況が悪化すると予想した南部地域の野菜農家が広い地域に白菜を植えたからだという。この場合、野党はどうするのか。

韓国の政治はもう扇動と非科学ではなく、論理と常識の前に立つべき時だ。変化を約束した孫代表が江原道の白菜畑で本当の農心を読み取ってくることを願う。



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