1年ぶりの開催が期待される南北離散家族再会行事が場所の問題をめぐる立場の違いで難関に直面した。南側が再会場所として金剛山(クムガンサン)地区にある離散家族面会所を提案すると、北側は金剛山観光を再開してこそ面会所で行事を開催できると主張した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)当局者は「北朝鮮が金剛山観光再開を離散家族再会の前提条件として最後まで固執する場合、再会行事を開かなくてもよいというのが政府の立場」と明らかにした。南北双方は17日、最初の赤十字接触で10月17日から21日の間に再会行事を開催することで合意していた。しかし場所の問題と準備期間が1カ月以上かかるという点を考慮すれば、合意した時点に再会行事を開催するのは事実上難しくなった。非常に残念なことだ。
状況がこうなったのは、北朝鮮の責任が大きい。いつもそうであるように、離散家族の再会を政治的に利用しようとするからだ。10日に北朝鮮の朝鮮赤十字社は「過去に双方は秋夕(チュソク、中秋)を契機に北と南の離散家族、親戚の再会を進行し、離散家族の心の痛みを和らげ、血縁の情を深めた良い前例を持っている」とし「今年もこの日に際して再会を金剛山で進行しよう」と提案していた。「秋夕に離散家族の心痛を癒そう」という極めて人道的な目的を北朝鮮自らが主張した。
しかし北朝鮮は伏線を敷いた。離散家族の再会をきっかけに金剛山観光再開はもちろん、南側から大々的な支援を受けようということだ。ところが大韓赤十字社の支援がコメ5000トンとセメント1万袋など130億ウォン水準と期待以下だったため、金剛山観光の再開を打ち出して難関を作っているのだ。さらには南側の支援内容を非難する論評までも発表した。北朝鮮は純粋な人道主義精神に戻り、障害物を撤回するべきだ。
出口を完全に閉ざすような青瓦台当局者対応も問題だ。「金剛山観光再開が条件なら再会行事をしなくてもよい」という態度は、久々に期待を抱き始めた離散家族の胸に釘を刺すのと変わらない。天安(チョンアン)艦事件とパク・ワンジャさん射殺事件が解決していない状態で、金剛山観光の再開は難しいという立場を理解できないのではない。かといって「再会行事をしなくよてもよい」というのは過度に硬直した態度だ。南側当局が離散家族再会の人道的意味を無視するという非難を避けがたい。金剛山の面会所を利用しにくいなら、代案を積極的に提示したり、離散家族再会規模によってコメ支援を増やすという提案もいくらでも可能だ。1983年のKBS(韓国放送公社)の離散家族再会報道に国民が数カ月間涙を流した記憶を青瓦台当局者は再現する必要がある。
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