第47回放送の日の今日、世界は「スマート戦争」で砲煙が立ち込める。三星(サムスン)とLGはこの日からドイツ・ベルリンで開催される家電展示会「IFA2010」でスマートテレビを紹介する。LEDと3Dに続き、スマートテレビ市場の先行獲得に乗り出したのだ。世界最大の検索企業グーグルが日本のソニーと提携して「グーグルテレビ」というが、三星の場合、これに対する先制対応という性格が強い。アイフォーンのスティーブ・ジョブズも昨日、「アップルテレビ」を発表した。少しずつ機能と性格は異なるが、携帯電話やタブレットPCに続き、デジタル生活の「キーステーション」になる家庭のスマートテレビを狙って、譲歩のない戦争が繰り広げられているのだ。スマートフォンでは基本ソフト(OS)問題で後れを取ったが、スマートテレビは進んだ技術と洞察力のある異種融合で世界市場を席巻することを願う。
問題はスマートテレビがもたらすメディアの地殻変動だ。ニュースや天気を確認し、ゲームや映画も楽しみ、フェースブックやツイッターで疎通しながら、その場で商品も注文できる。リモコン一つで視聴から検索・疎通・購買まで同時に解決するのだ。さらにインターネットのように国や圏域がない。例えば米国のドラマを見ながら、主人公が身に付けた間接広告(PPL)物品を「アマゾン」や購買代行社を通してすぐに購入できるのだ。もうテレビは「視聴」するものではなく、何かを実行する窓であり、新概念の「場」なのだ。地上波とケーブルに分かれ、報道・娯楽・文化・レジャーなどに分類された障壁が、無意味な状況になりうるという意味だ。従来の放送のパラダイムの一大転換点だ。
結局、スマートテレビに代表されるデジタル戦争は、器機とメディア・コンテンツ間の相互融合・協力・競争形態で進行されるだろう。メディアはどんなコンテンツをどう最適化して提供するかがポイントだ。顧客は国内でなく世界だ。商品と同じようにコンテンツも世界で通用しなければ無視される。井の中のどんぐりの背くらべでは‘コンテンツ植民地化’を招くことになる。メディア融合の時代にスマートテレビは企業にとってチャンスだが、従来のメディアには危機的な要素もある。
したがって現在議論されている総合編成・報道放送チャンネルも個別事業の成敗より、もう少し目を大きく開いて、世界メディア市場を見なければならない。グローバル競争力を備えればデジタル新韓流の夢も可能だが、それができなければ深刻なコンテンツの逆潮が懸念される。李明博(イ・ミョンバク)大統領も放送の日の祝辞で、グローバル競争力を備えた創意的なコンテンツの必要性を力説した。放送にも、世界との競争を強調しながらグローバルレベルに合わせることを注文した。すべて正しい言葉だ。
先日、慶尚北道蔚珍(キョンサンブクド・ウルチン)で地上波アナログテレビ放送が終了した。2012年を眺めたデジタル化の信号弾だ。異種メディアのグローバル離合集散も激しい。光速度に変わる先端時代だ。グローバル競争で生き残るには、政府も企業もメディアも気を引き締める必要がある。
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