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【コラム】自動車産業の根本を変える電気自動車

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
 1886年、人類の空間移動のための画期的な変化が起きた。 ドイツのゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツが、化石燃料を使う内燃機関を搭載した自動車を発明したのだ。 その後、自動車は消費者と市場の要求に合わせて段階別に発展を遂げてきた。 まず使用しやすく、乗り心地がよい車をつくるための努力が続いた。 さまざまな消費者層と用途に合わせた車の開発とともに、安全のための技術も発展した。

走る室内で楽しみを得たいという欲求が強まり、車両用エンターテイメント装備が次々と開発された。 21世紀に入ってからは、情報技術(IT)を基礎に車内で相互疎通の時代が開かれている。 いまや自動車は空間移動の道具ではなく、3次元的な相互疎通とマーケティングの道具になった。 未来には自動車を媒介体にした新しい文化が形成される見通しだ。 しかしこうした自動車の発展過程で看過された深刻な問題がある。 自動車が排出する二酸化炭素による環境破壊がそれだ。 人のための自動車が人と自然に害悪を及ぼしているのだ。 環境破壊による弊害と地球温暖化による猛暑・台風・洪水など気象異変が激しくなる中、環境に対する関心が高まり、政府の環境規制が強化されている。

環境破壊の主犯である内燃機関自動車と関連企業は今、その深刻性を悟り、ハイブリッド車・水素燃料電池車・水素車・プラグインハイブリッド車(PHEV)・電気自動車(EV)などエコカーの開発に取り組んでいる。 3次元的な相互疎通を可能にする未来の自動車は、人類と環境を害しない、環境にやさしい存在でなければならない。


未来社会をリードする電気自動車は技術的にも形態的にも、そして内容的な面でも、従来の車とは根本的に違う。 電気自動車はエンジンと変速機で定形化されていた内燃機関の枠から抜け出し、新しい設計が可能になる。 卵型であれ、箱型であれ、人に合わせた独創的な室内空間が続々と登場するはずだ。

デザインのパラダイムも変わるだろう。 デザイナーが与えられた条件の中でただ見栄えよくスケッチをするのではなく、消費者との疎通と根本的な理解を基礎にした哲学的な接近が重要になる見込みだ。 製品よりも人が重視されると考えられる。 エンジンが電気モーターに、また化石燃料から環境に無害な電気バッテリーに変わることで、モーター駆動装置を自動車のどの部分にも搭載できるようになる。

また電気自動車は大量生産を前提とするこれまでの生産方式とは違い、消費者の個性を多様に表現できる。 多品種少量生産方式が可能だということだ。 さらに顧客が望みの自動車の形態や機能・性能などを注文して生産できるだろう。 まだインフラ(充電所など)や人々の認識は不足しているが、政府・企業が共同で努力すれば、電気自動車が普及する日は遠くない。

このために企業は競争力のある核心技術の開発に力を注ぎ、政府は制度的・財政的に支援する必要がある。 電気自動車が便利に走れるインフラを構築し、補助金も支援しなければならない。 補助金は関連技術が発展し、インフラが拡充されれば、最終的になくなるはずだ。 電気自動車の普及には補助金のほか、税制・金融支援も必要となる。 近づいている電気車時代には、環境を重視し、自然と疎通する自動車がさらに増えることを期待したい。

キム・ヨンイル・レオモータース副会長



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