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情報通信倫理委員会在職時、インターネット逆機能の深刻性を確認した経験がある。その後、これを知らせようと労力してきたが、歌手、タブロ(写真上)の学歴詐称問題は一個人と家族の生活を根こそぎゆさぶる執拗なものまで加わって驚きを禁じ得ない。間違いなくスタンフォード大学を卒業した上、証拠を提示したというのに、まったく信じようとせず疑惑を拡大している。
「タブロ学歴詐称論難」は社会問題の結晶体であり、より深刻になることもあるため、非常に懸念される。真実を知りたいという気持ちからネチズンたちは匿名で虚偽事実を流布し、侮辱と脅迫を躊躇しない。自殺を勧め、家族の生命まで脅威する文もある。集団的狂気のように見えるこのような現象がどうして起きるのか。始発点は一部のネチズンのちょっとした疑惑だった。それが暴力的に拡大再生産された。大部分は一部の悪意的なネチズンたちの論理を信じて過ちをしたものと信じたい。
韓国社会全般の暴力と競争文化、物質主義、不信の風潮と学歴主義社会は我々の情緒と人性を歪曲させる。競争に追いやられた子供たちはフラストレーションと怒りが積もって暴力的になる。人を認め、気配りするより非難してねたむ。こんなネチズンたちにインターネットは自分の存在を隠したままフラストレーションと攻撃性を表出する空間になっている。
今のように人格教育が失われ、倫理意識と判断力及び自分統制力を培わない限り、実質的なインターネット倫理教育を強化しない限り、悪意的なネチズンに対する処罰が強化されない限り、タブロ学歴詐称論難と類似の事件は続くだろう。自分の子供、自分の家族も安全ではない。親、学校、社会がすべきことは、どんな理由でも延ばしてはいけない。タブロ学歴詐称論難が与える教訓だ。
イム・ジョンヒ(社)明るい青少年理事長青少年保護委員会委員(写真下)
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