一寸先も見えない韓国の近視眼的観光政策が息苦しいばかりだ。中国観光客が大きく増えているにもかかわらず観光業界では準備不足で「もっと来ても心配」と嘆くほどだとは、転がって入って来る福を足で蹴飛ばすようなものだ。ソウル市内には適当なホテルが不足で、観光ガイドは水準以下である上、中国に対する偏狭な視覚まで挙げられ、中国観光客を追い返す格好だという。まことに驚愕させられる。日本、台湾、東南アジアなど周辺国たちが1年に5千万人になる中国旅行客を獲得するため“戦争”をしているにもだ。
これまで我々は中国観光客誘致をすると量的拡大にばかり汲々としていた。それで多くの副作用にもかかわらずビザ制限を果敢に解いたのだ。しかし準備不足で観光客を迎えるならむしろ国家の品格を落とすだけだ。ホテルがなくて2時間も離れた所に移動して寝なければならないとしたら韓国のイメージは良いわけがない。もう中国人観光政策は量ではない質で勝負しなければならない時になった。
観光の質の向上は「悪循環輪」を絶ち切る作業だ。それは韓国旅行の低い満足度に始まる。満足度が下がれば現地(中国)で韓国旅行商品の価格が下がり、国内旅行会社は低価格に合わせるために再び“ダンピング観光”をしなければならない悪循環になる。この悪循環を絶ち切る方法はただ一つ、我々の観光品質を高めることだ。ホテル・食堂・ショッピングセンターの大々的な整備とともに観光と医療の結合、観光と韓流のつながりなど高付加ターゲット商品開発にも積極的に乗りださなければならない。「また来たい韓国」にすることが核心だ。各部処に散らばった関連業務も1カ所に集める必要がある。政府政策だけでできることではない。業界に押し付けることもできない。政策政府と業界、ガイド、協会など関連専門家たちが集まって改善策を用意しなければならない。
すべての産業がすべてそのように、観光分野の中国の存在は我々の21世紀の主要産業だ。日本を追い抜いて世界2位の経済大国に浮上した中国ではこのごろ海外旅行ブームが起こっている。我々が1990年代に初めて経験したことだ。年が経つほど幾何級数的に増える見通しだ。しかし昨年、韓国を訪ねた中国観光客数は134万人で全体(約5千万人)の2.7%にすぎなかった。「韓国は必ず行ってみたい魅力的な隣国」というイメージを抱いてもらえれば今すぐ20%まで引き上げることができるというのが専門家たちの見方だ。
我々は昨年、中国との商品交易で325億ドルの黒字を記録した。しかし旅行収支は赤字だ。中国を訪問した韓国観光客数は約320万人で韓国訪問中国観光客数より2倍も多い。深刻な不均衡だ。観光品質を改善すれば不均衡を直すことはもちろん新しい有望産業として育てていくことができる。中国観光ドルを拾い集めるか、ではなければ突き放すか。その解答は我々にかかっている。中国から観光客を引き入れるための国家的マスタープランが必要な時点だ。
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