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【噴水台】残酷劇

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

噴水台



14回の殺人。性暴行と生き埋め。身体切断と人肉食い。ウィリアム・シェークスピアが1590年代初盤に書いたことで知られる戯曲「タイタス・アンドロニカス」(Titus Andronicus)の内容だ。ローマ将軍タイタス・アンドロニカスが巻き込まれた激しい復讐の話だ。97行に1回ずつ残忍な内容が登場し、ある評論家は「暴力のカタログ」と呼んだという。シェイクスピアの唯一の残酷劇であるこの作品は「オセロ」と「リア王」にきっかけを提供した。「高邁な」シェイクスピアが書いたと思うにはひどすぎてTSエリオットは「今までの戯曲のうち最悪」と評したそうだ。しかし当代には爆発的な人気を享受した。

19世紀ビクトリア王朝時代にも残酷劇は目立つ。ブロードウェーミュージカルとハリウッド映画でもヒットした「スウィニートッド」もそのうちの1つだ。当時、ロンドン市民たちが楽しんで読んだ1ペンスの雑誌に紹介された。妻を法官に奪われた理髪師が復讐心で殺人を始める。お客さんたちの首を取った後、機械装置椅子で遺体を下の階に落とす。下で待っていた製パン師は遺体で肉パイを作って売る。無差別殺人に心酔し次第に人間性を失っていく理髪師の姿は化け物そのものだ。


残酷劇は最近、映画や演劇・小説マーケティングでも楽しんで使われる単語だ。コミック残酷劇、残酷ロマンス、残酷童話などと使われるなど多様だ。元々はフランス劇作家アントナン・アルトーが主唱した実験演劇の概念だ。彼は残酷さの認識を通じて人間性回復と治癒が可能だと主張した。極まった残酷さを経験したとき、魂の浄化作用ができると思ったのだ。

しかし残酷さが残酷なことだけに止まるなら話が違う。最近キム・ジウン監督の映画「悪魔を見た」が、ひどく残忍な数シーンにより映像物等級委員会から制限上演可の判定を受けた。紆余曲折の末に青少年観覧禁止で12日に公開したが、問題は続きそうだ。主人公(イ・ビョンホン)が婚約女性の殺人犯(チェ・ミンシク)を断罪するために彼のアキレス腱を切るとか金串で両目を突いて貫通させて後には斬首までする場面は両目を開けて見ていられない。「目に目を、歯には歯を」式の私刑は16世紀にも19世紀にもあった。しかし「悪魔を見た」を含めた「残酷な」このごろの韓国映画を見ながら人間性喪失に対する悲哀を感じることができない理由は何か。残酷劇の本質を追求するよりは、視聴角的描写にだけ集中しすぎるのではないか。

キ・ソンミン文化スポーツ部記者



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