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【社説】米国は韓米FTAを選挙に利用すべきでない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
 米国のオバマ大統領が「韓米自由貿易協定(FTA)をそのまま通過させることはない」と述べた。オバマ大統領は労働総同盟産別会議(AFL-CIO)指導者らと会い、「貿易がすべての米国人に役立つべきであり、今年の秋に韓国を訪問する前に自動車・牛肉業界を納得させる協定を提示する」と約束した。これに先立ち米上院財政委員会のボーカス委員長は「韓国は月齢および部位に関係なく牛肉市場を全面開放すべきだ」と主張した。

今年6月、両国首脳は今年秋まで韓米FTAの争点を妥結することで合意した。オバマ大統領は新たな議論について「再協議(renegotiation)ではなく調整(adjustment)」と表現し、期待感を高めた。しかし昨日から米国は夏季の総攻勢を連想させるほど発言の程度が高まった。9月に始まる実務交渉を控え、韓国に圧力を加える意図があるとみられる。

米国は実務交渉で輸入牛肉の月齢撤廃と自動車のセーフガード(緊急輸入制限措置)を要求する可能性が高い。しかし牛肉はろうそくデモを招いたほど鋭敏な懸案だ。厳密にいうと韓米FTA対象でもない。両国が合意した通り「韓国消費者の信頼が回復する時点」まで月齢撤廃は慎重に接近する必要がある。自動車も米国の競争力が問題だ。いくら輸入を増やしても、品質とマーケティングで欧州・日本車に劣れば効果はない。


オバマ大統領は11月中間選挙を控え、主要支持基盤である労組と農民の立場を無視するのは難しいだろう。しかし米政権に切実なのは内部説得だ。韓国に圧力を加えるよりも自国の畜産農民と自動車労組に現実を理解させるのが先だ。韓米FTAを中間選挙の犠牲にするという誘惑から振り払わなければならない。すでに韓米FTAは交渉を妥結しながらも3年という時間を無駄に過ごした。韓・欧州連合(EU)FTA妥結で分かるように、時間を遅らせるほど米国の先行獲得効果は減る。米国は自由・互恵というFTAの初心に戻る必要がある。



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