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‘良い車’の日産より‘売れる車’を作ったトヨタが成功

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
 かつて「技術の日産」という言葉が流行した。自動車生産技術では日産が世界最高だという評価が込められた表現だ。しかし不幸にも日産はこうした賛辞が有効だった当時、最高の自動車会社ではなく、今ではルノーの支援で命脈を維持している。

自動車の選択基準のうち最も基本とされる技術で最高点を受けた日産が、最高企業に仲間入りできない理由は何か。先端技術が製品の性能を決め、その性能が消費者の選択に影響を与える現代社会で、格別な技術力で武装しても振るわない企業が少なくない。さらに技術的に完ぺきに近い製品を市場に出した後、大々的なマーケティングをしても、成功どころか失敗に終わるケースも珍しくない。

卓越した競争力を備えながらも苦杯をなめる企業らはいくつか共通した属性がある。技術が良いからといって売れるわけではない。自動車業界で広く知られている警句の中にこういう言葉がある。「日産は良い車を作り、ヨタは売れる車を作る」。ここで日産は技術的最適化に焦点を合わせて最高性能の車を作る会社だ。一方、トヨタは技術レベルで相対的に劣っても(ただし顧客がその差を認識できない水準で)市場で売れる車を作る。日産が誇る最高性能は消費者がよく認識できなかったり、必要としない場合が多い。


こうした技術志向的製品に対するこだわりは、最高経営者がエンジニア出身の場合によく見られる失敗だ。技術的優位要素を確保するのに集中する過程で、市場の要求が後まわしにされる。経営者または会社の目標に沿った完成度の製品が生まれるが、これが必ずしも顧客の要求を満たすわけではない。むしろ市場の需要とかい離した製品が出てくることもある。

1990年に登場したソニーのMDも、当時大勢だったCDを技術的に上回る最高の製品だった。完ぺきな音質と再生能力、十分なデータ保存能力などCDと比較にならない機能を備えたが、人気を得られず結局はMP3に市場を譲ってしまった。失敗の根本原因は顧客の需要に合った市場志向的な製品を出せなかった点にあった。

すべての企業が持続的に成功を収めるのは難しい。熱心に研究してもいつかは失敗する可能性がある。重要なのは失敗を通して学ぶことで、失敗の過程を組織に内在化することだ。未来の持続的成長を望む企業が恐れるべきことは失敗ではない。それよりも現実に安住しようとする安易さがもっと怖い。企業の本当の敵は何もしようとしない無事安逸であり、早くからのあきらめだ。



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