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【噴水台】アンテナゲート

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

写真:中央日報日本語版

 

スティーブ・ジョブズ・アップルCEOは「プレゼンテーションの伝説」として通じる。 退屈なプレゼンテーションをインフォーテイメント変えたという評価を受ける。 その核心は1-2行ほどのメッセージの強力な伝達にある。 アンテナゲート(Antennagate)。 ジョブズがアイフォーン4の受信不良問題を「アンテナゲート」と圧縮した。 ジョブズは記者会見で「私たちは完璧でない。 フォーンもやはり完璧でない」と述べた後、「アンテナゲート、アイフォーン4に限ったものではない(Antennagate,Not unique to iPhone4)」という大きな字幕を大型スクリーン上に映し出した。 新しい類型のゲートを誕生させたのだ。

ニクソン元米国大統領のウォーターゲート事件に由来する「ゲート」は、巨大な陰謀が隠された政治的スキャンダルという意味として人々に刻印されている。 それ以降、政治的・権力型不正と工作の臭いが漂う事件にはゲートという接尾語を付けた。 米国のクリントン元大統領の「ジッパーゲート」、ブッシュ前大統領の「リークゲート」などがこうした例だ。 韓国では「朴東宣(パク・ドンソン)ゲート」がその始まりだ。 金大中(キム・デジュン)政権当時、鄭炫埈(チョン・ヒョンジュン)・陳承鉉(チン・スンヒョン)・李容湖(イ・ヨンホ)・尹泰植(ユン・テシク)・崔圭善(チェ・ギュソン)氏がかかわった‘5大ゲート’で騒がしかった。 最近の「迎浦(ヨンポゲート)」も政治的攻勢の側面がなくはない。


ジョブズは一部メディアが間歇的に使っていたアンテナゲートという表現を今回公式化した。 ゲートの前につく単語は事件の性格を規定する。 ジョブズの選択は「アップルゲート」でも「アイフォーンゲート」でもなく「アンテナゲート」だった。 製品や会社に問題があるのではなく、部品の一つであるアンテナから始まった小さな問題にすぎないという点を用語選択で見せた。 従ってアンテナ受信不良問題には政治的・経済的意図が込められているということだ。 ジョブズは「アップルだけの問題ではなく、ノキアやブラックベリー、三星(サムスン)などスマートフォンの共通した現象」と主張した。 また「アップルが韓国企業ならよいのか。それとも米国企業として世界1位になることを望むのか」とし、愛国心を刺激した。

「スティーブ・ジョブズは悪党を作りだすのに非常に長けている。 ジョブズは敵対者(従来製品の限界)を前面に出した後、生活をよりよくする解決策を英雄として登場させる。 アップルの製品は世の中を救う英雄だ」(『スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションの秘密』、カーマイン・ガロ著)。ジョブズは製品の瑕疵をゲートにする逆発想を通して危機脱出を図っている。 ジョブズの戦略が成功するのか、第2のトヨタ事態に広がるのか、注目される。 

高大勲(コ・デフン)論説委員



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