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私たちの民族のDNAには酒が流れるという。 このため遺伝子のうち「アデニン」の「A」はもともと「アルコール」だと私たちの間で冗談を言ったりする。 中国の文献にはこういう記録もある。 三国志魏志東夷伝は扶餘(プヨ)編で「国の真ん中に大きく集まり、連日飲んで食べて歌って踊る(国中大会 連日飲食歌舞)」とした。 まさに「迎鼓」だ。 この時、「飲酒歌舞」でなく「飲食歌舞」だが、私たちは食べるより(酒を)飲むのが先だ。
韓日中3カ国の文化は似ているが、異なるのが酒だ。 北風が吹く寒い中国は、豚肉を添えて40度を超える「高梁酒」が最適だ。 小さな杯を口に注ぎ込んで「乾杯」を叫ぶ。 脂っこい食べ物は冷たい風で顔の皮膚が荒れるのを防ぐためだ。 食べることを優先するため、旅人が泊まるところも「飯店」だ。
日本は暑くて湿気が多く、すぐに酔う。 このため「酒(さけ)」を少しずつ飲む。 一口飲んでも注ぎ足して杯を満たすのは、乾杯による泥酔を警戒してのことだろうか。 湿気が多く水因性伝染病が広がるため、頻繁に洗うしかない。 それで「旅館」ごとに風呂桶がある。 中国が洗わないことや、日本が頻繁に洗うのは、生存の知恵が文化として定着したのだ。
韓国は大きな器に人情あふれるマッコリ(濁酒)だ。 ごくごくと飲む。 つまみは青い唐辛子と胡瓜一つあれば足りる。 「酒の味付く村ごとに/燃える夕焼け/雲に月行くごとく/行く旅人」(朴木月「旅人」)が体を横にするところはしたがって「酒幕」だ。 やはりマッコリは「商いにならない/人里離れた店/うまくいくとは/思いもしない店/残りのニンニクの茎に/マッコリ一口/一人で飲む/この寂しい/味」(キム・イクドゥ「酒の味」)が最高だ。 冬には焼酎も飲む。 詩人の白石は「ナターシャを愛して/雪は吹雪き/私は一人寂しく座って焼酎を飲む」とした。 それでも白衣民族にはやはりとろみのあるマッコリだ。
このマッコリが端境期と密酒取り締まりで形跡を隠していたが、最近、華麗に復活した。 ところが国産マッコリの原料のうち国産米の比率はわずか13.6%という。 残りは価格が安い輸入米や小麦だ。 この渦中に、政府は米が余っているため、飼料に活用することを考えているという。 そうするくらいなら価格を合わせて国産米マッコリを活性化するほうがよい。 身土不二といわれる。 どうせなら風土に合う米マッコリが、私たちの綿々とした情緒を保全する道ではないのか。
朴鍾権(パク・ジョングォン)論説委員
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