１カ月前、鳩山由紀夫前首相とともに金銭スキャンダルで責任をとり、幹事長職から退いた日本民主党政権の実勢、小沢一郎氏のカムバックが秒読みに入った。

小沢前幹事長は８日、石川県加賀市で遊説をした。「参院でも民主党単独過半数を確保することができなければ真の改革だと言えない」とし、民主党支持を訴えた。この発言をそのまま解釈することもできるが、彼が選挙期間中、菅内閣を正面から批判してきた点を勘案すれば全く違った方向に受け入れることもできる。民主党単独過半数、少なくとも与党が過半数議席確保に失敗した場合、菅首相が選挙結果に責任を負わなければならないという圧迫だ。

今回の選挙で民主党が過半数の確保に失敗したことで党内最大グループを率いている彼の復帰は当然の手順として受け入れられている。小沢氏は今の民主党政権を率いてきた実勢だ。


菅内閣に批判的な小沢は選挙期間中、自分が立てた候補たちの地方遊説に積極的に出た。１００人前後の有権者たちが集まった遊説場で、ひっくり返したビール箱の上に上がって演説する彼の姿は菅首相の大規模遊説よりもっと気を引いた。

スキャンダルに関する検察再捜査の悪材が残っていたりするが、９月、党代表選挙で彼が直接出ても、側近を立てても主導権をまた取るだろうという見通しが有力だ。