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先月28日、東京国際フォーラムホール公演。5000席の大きめの演奏会場は公演2カ月前に売り切れた。その翌日の大阪シンフォニーホール2500席も同じ時期に売り切れた。補助椅子と立ち見席が登場した。公演関係者は「ゲスト演奏者の力が大きかった」と言った。日本のスターバイオリニスト五嶋龍(22)が合流したからだった。
五嶋龍は「バイオリンDNA」を生まれ持った。家族皆がうわさの立った演奏者だ。今月初め、韓国で会った彼は「幼いころは家族が恥ずかしくないようにしなければならないというストレスがあった」と打ち明けた。
彼の親は皆バイオリニストだ。母は若いころ日本で活動し、父は現在ジュリアード音大でバイオリンを教える。これら夫婦は1980年代に米国に渡った。五嶋龍より17歳の上の姉、五島みどりのためだった。
みどりは「世紀の神童」バイオリニストとして注目された。1982年、ニューヨークフィルハーモニックの舞台でデビューし、レーガン大統領の前でクリスマス演奏をして名を知らせた。
その姉にその弟? 7歳で札幌でデビューした五嶋龍は、以後ロンドンフィル、フィルハーモニーなどと公演し、17歳でアルバム社ドイツ・グラモフォンと契約し、プロの演奏者の仲間入りをした。勉強もよくできて、ハーバード大学で物理学を専攻している。
2日、ソウル湖巌アートホールで韓国デビュー演奏をした彼は正確なテクニックを見せた。またこの日、彼が演奏したプロコフィエフピアノソナタは電子音を思い浮ばせるほどに強烈な音で表現された。聞く人の緊張を緩めない演奏だった。「音楽は高尚で高い所にあるという考えは気に入らない」という新世代発想に合う演奏だった。新たに出したアルバム「パガニニアーナ」でも派手な技巧が目立つ。
こういう「クラシックアイドル」にも悩みがあるか。彼はかえって「練習だけでも良かった時がもっと幸せだったようだ」と述べた。「演奏者が聴衆に果たして何を与えなければならないか、このごろにはそんな考えで頭が複雑だ」という。一種の成長痛だ。しかし彼はやっぱり意気はつらつとしていた。
「演奏会場はレストランと似ていると思います。チケット値を出した聴衆に満足を与えなければ不公正な取引じゃないか。まるでお金をもらってからも食べ物を与えないレストラングのようにです。モーツァルトが最近、生きていたらクラブへ行って楽しく遊びながら各種珍しい音楽を作ったでしょう」
彼は、メディアの支援を受けた。1996年フジテレビは「五嶋龍のオデッセイ」というリアリティー番組で天才バイオリニストの成長過程を放送した。彼の日常と演習、演奏をすべて放送した。放送はおよそ10年間続けた。「私のデビューステージを見た放送局プロデューサーが提案しました。初めは面白いだろうと思って始めたが、後には本当にぞっとしました。10年間、カメラに追い回されたと想像してみてください。その特別な経験が自分の音楽も独特にさせたと思います」
彼は「今年を基点に韓国での活動を増やしていく計画」と明らかにした。彼が韓国聴衆とどれだけ「公正な取り引き」をするか、すなわちどれだけ新しい音楽をもたらすか待たれる。
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