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愚鈍がクマのようだというが、よく分からない言葉だ。 時期に合わせてサケが戻ってくる川で待つ賢さ、敏捷につかむ姿には、ひたすら嘆声が出る。 巣箱から蜂蜜を取る知恵はどうか。 サーカスで調教師はライオンやトラとは違い、クマにはムチを使わないようだ。 エサをやると言うことを聞くからだ。 それなりに鋭敏な動物だ。
そのためか。 人間は昔からクマと親しかった。 まず大きさと顔立ちが似ている。 特に、クマが2足で立ち、前足を動かしながら咆哮する姿からは直立の同質感も感じたはずだろう。 世界のあちこちでクマを先祖あるいは子孫とする説話が多い理由だ。 私たちの壇君(ダンクン)神話がその代表例だ。 アメリカチェロキーインディアンの先祖もクマで、北部ロシアにもこうした類の民譚が多い。 しかしお互い似ているという錯覚がお互いに苦痛を与えるのか。 ドイツ人作家のベルント・ブルナーは「クマと人間の歴史」で、「すべての悪縁はクマを人間と同一視しながら始まった」とした。 ブルナーは「人間はクマを助けて殺し、あやして苦しめ、世話をして食べ、尊重しながら蔑視した」と説破した。 友がすなわち敵ということだ。 人間世界のように。
その通りだ。 ある意味、逆に地球上のすべての生物にとって人間は敵なのだろう。 映画「マトリックス」でウォシャウスキー兄弟はスミスを通じてしきりに言う。 「人間はほ乳類ではない。 すべてのほ乳類は環境と調和を作り出す。 ところが人間は自然資源をすべて消耗する。 そして移していく。 ウイルスのように」。そして人間が‘疾病’だと一喝する。 こうした点で韓国のクマはもっと悲しい。 建国の母が熊女ではないのか。 しかし共存どころか、胆にだけ欲を見せる。 クジャクは美しい羽、トラは皮のために死ぬ。 クマは風で乾燥された熊胆のためだ。 急性疾患と小児病に特効という。 野生動物にとって東医宝鑑は殺生簿だ。 世界でクマを殺すために育てる国は2つ、韓国と中国だ。 それでも韓国では掌は残る。 現在、全国の農家で熊胆を得ようと飼育する一般クマが1400頭という。 これに対し、緑色連合が9日からクマ飼育廃止特別法制定運動を始める。 国際的絶滅危種だが、恥ずかしい飼育を廃止しようということだ。
その時、クマはどうするべきか。 智異山(チリサン)に放してやることも、生まれた東南アジアに帰してやることもなさそうだ。 将来のことは分からないから、熊胆でも取って子孫を広めるか。 それとも野生の時の自由がない束縛のくびきを‘絶滅’で逃れるのか。 クマも人間も難しい選択だ。
朴鍾権(パク・ジョングォン)論説委員
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