後半４１、朴智星（パク・チソン、マンチェスター・ユナイテッド）のパスを受けた李東国（イ・ドングク、全北）がペナルティーエリアのやや右側からシュートを放った。ボールはウルグアイのＧＫムスレラ（ラツィオ）の体に当たってゴールの方向へ転がった。しかし雨を含んだグラウンドはボールの速度を落とした。ウルグアイの守備手はゴールラインを越える前にクリアした。勝負を振り出しに戻す最後のチャンスはこうして過ぎ去った。

韓国は２７日（日本時間）ポートエリザベスのネルソンマンデルラベイ競技場で行われた南アフリカワールドカップ（Ｗ杯）決勝トーナメント初戦でウルグアイと対戦し、１－２で敗れた。試合後、許丁茂（ホ・ジョンム）監督をはじめとする選手団の多くが涙を流すほど惜しい試合だった。


史上初の遠征１６強という成果を抱いて試合に臨んだ韓国選手は序盤から自信を持ってプレーした。前半５分、ペナルティーエリア左側で反則を得ると、朴主永（パク・ジュヨン、ＡＳモナコ）が出てきた。ナイジェリア戦でゴールを決めた時と同じ位置だった。しかし朴主永のＦＫはゴールポストに弾かれ、惜しくも先制点を逃した。

得点チャンスを生かせなかった韓国はすぐに危機を迎えた。前半８分、フォルラン（ＡＴマドリード）が左サイドから低くて速いクロスを入れた。韓国守備手がペナルティーエリアに集まっていたが、流れていくボールを眺めた。ＧＫ鄭成竜（チョン・ソンリョン）もボールに手が届かなかった。反対側で待っていたスアレス（アヤックス）は角度がない位置から正確に右足でゴールネットを揺らした。

しかし韓国選手は全く臆することはなかった。前半３２分の朴主永のシュート、チャ・ドゥリ（フライブルク）の２度のミドルシュートはウルグアイのゴールを脅かした。

後半戦に入っても雰囲気は韓国が主導した。ボールの配給に集中していた朴智星は後半１１分、自らシュートを放った。許丁茂監督は後半１５分、金在成（キム・ジェソン）に代えて李東国をを投入し、攻撃をさらに強化した。

ウルグアイのゴールが開いた。後半２３分、奇誠庸（キ・ソンヨン、ＦＣソウル）がＦＫからクロスを入れると、ボールはビクトリノの頭に当たってゴール左にこぼれた。李青竜（イ・チョンヨン）は正確に落下地点に入り、ヘディングで同点ゴールを入れた。

しかし喜びはつかの間だった。ウルグアイの反撃が始まった。後半３５分、スアレスがペナルティーエリア左から中央に食い込みながら放ったシュートは、ゴールポストに当たってゴールに入った。

韓国は後半４１分の李東国のシュートなど、同点に追いつくチャンスを何度か得たが、結局、得点には結びつかず、終了ホイッスルが鳴った。