率直に韓国と日本がどうして親しくなければならないか分からないことが多い。日本が独島（トクト、日本名：竹島）を「竹島」、自分の領土だと主張する度に韓日両国が声を上げ、相変わらず和解と協力を強調する。北朝鮮という東アジア安保の脅威要因に一緒に対応しなければならないから？　最も近い国で、顔付きも文化も似ているから？　それとも今は中国に押されたとして、日本が韓国の最大交易国だから？

一言でうそだ。日本と親しくなければならない理由より親しくなってはいけない理由を挙げる方が早い。「過去を直視する」という日本首脳の発言をありのまま信じる韓国人はあまりいない。日本の韓国侵略の歴史を正当化して韓国史を歪曲する歴史教科書が堂々と日本政府の検定を通過して子供たちの教材として使われている。８・１５終戦記念日にはＡ級戦犯が合祀されている靖国神社に参拝しようとする日本の政治家たちが並ぶ。敢えてほかの理由をつけることもない。我々が初めてサッカーワールドカップ大会に出場した１９５４年、李承晩（イ・スンマン）大統領が韓日戦を控えた選手団に「日本に負けたら玄海灘に身投げしろ」と言わなかったか。程度の違いはあるかもしれないが、韓国人の体の中には抗日の血が流れている。日本政府が韓国と中国に「東アジア共同体」創設を提案する時も「脱亜入欧を叫んだのはいつ？」とそんな考えが浮かぶ。「韓日両国民の親密度が毎年増している」という各世論調査結果はある見方をすれば「韓国と日本は親しくなければならない」という掛け声にすぎないという気がする。

そんな韓国と日本が南ア共和国ワールドカップで決勝トーナメント進出チケットを手にした。両国がワールドカップを共同開催した２００２年大会以来初めてだ。アウェーゲームで、それもヨーロッパと南米の強豪たちを相手になんとか頑張りぬいた両国の快挙に「韓国」「日本」という国境はなかった。韓国と日本は互いを励ますように善戦した。岡田武史日本代表監督はデンマーク戦を前に「韓国チームの善戦が大きな刺激になった」と言った。韓国が先に決勝トーナメント進出を決めると、日本人たちは「私たちもできる」と勇気を出した。東京で韓国戦の中継を見ていると、ここが韓国なのか日本なのか勘違いするほどの「不公平解説」だ。韓国の車範根（チャ・ボムグン）解説委員も不公平中継と言われるようになり、「むしろあまりに日本の肩をもちすぎて心配」と言及したことがある。拉致問題で経済制裁を加え、北朝鮮を圧迫している日本だが、ワールドカップ大会に出場した北朝鮮は敵ではなく「アジアの同志」だった。


今日から決勝トーナメントが始まる。１６チームの中に誇らしいアジアの韓国と日本がある。韓国と日本は２０１０年夏、美しい思い出を一緒に作った。両国が親しくなければならない理由なんか必要ではない。韓国と日本国民が一緒に作って行く思い出が１、２つずつ増えればいい。いつでも手さえ伸ばせばそばにある存在。競争を通じてもっと発展できる関係。それが真の韓日友好関係ではないのか。韓国と日本両国の善戦を祈る。

パク・ソヨン東京特派員