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日本ドラマは韓国ドラマとは違い淡泊だと、不倫と出生の秘密、複雑な三角関係のようなものはめったに見られないと誰が言ったのか。このごろ日本のドラマを見れば「うん?あれはどこかで見たことあるな」といった場面がよく登場する。韓国ドラマファンにはあまりにも見慣れたキャラクター、見慣れた設定。十分に次回の展開まで占うことができるほどだ。
ゴールデンタイムの月曜日夜9時にフジテレビで放送中のドラマ「月の恋人」を見よう。日本の最高の俳優といわれる木村拓哉と台湾出身の女優リン・チーリンが出演して話題を集めたこの作品は回を繰り返すほど、韓国ドラマの感覚をやたらと演出する。具合の悪い母親と一緒に暮らす貧しい(しかし美しい)中国女性が日本インテリア会社社長の目に止まって幸せな生活を送る典型的なシンデレラストーリー。事業しか知らず人情もない男性主人公のキャラクターは「天国の階段」や「美しい日々」に見たその主人公たちをうつしてきたようだ。
15%を超える視聴率をあげたテレビ朝日の「同窓会-ラブアゲイン症侯群」はどうなのか。アンケート調査で「理想的なママ像」に選ばれる女優黒木瞳が主演を演じたこのドラマは、中学校の同窓会で再会した45歳の中年男女の話を取り上げる。夫の失業で自分が家計を切り盛りする主人公が、学生時代の初恋の男性に再会し、ブレーキのない恋に落ちるという話。男性主人公を刑事に設定し、ややミステリーを加味してあるが、展開過程は韓国の不倫ドラマの範疇を大きく脱しない。
韓国ドラマが主に放送される昼間の時間帯を狙ってフジテレビが新しく編成したドラマはタイトルからして「妖婦と淑女」だ。貧しい女性が金持ちの家に入り、疑問の事故で死んだその家の娘の人生を代わりに生きるようになるという話だ。出生の秘密と三角関係、陰謀が主要素材だ。主人公をめぐる秘密が一つひとつ明らかにされる展開方式、誇張され、劇的なセリフは文句を言いながら見た韓国ドラマ「妻の誘惑」を思い浮かばせる。
これはどう見ても韓流の影響だ。伝統的人気素材である推理物と医学ドラマを除けば、これまで日本ドラマを代表してきた「繊細でなまぬるい恋愛物」や「騒がしい学園もの」などは徐々に影をひそめている。そこを“韓国風ドラマ”が埋めているのだ。日本の視聴者たちさえ「脚本家が韓国ドラマをあまりにも多く見た方のようだ」という意見をインターネットに残すほどだ。
週刊誌「アエラ」(AERA)は先月の特集記事で「韓国ドラマは日本人の心に欠けた何かを満たしてくれる」と分析していた。「周囲を見回せば交通事故で記憶喪失にかかった人も、産婦人科で親が変わった人もいないが、そんな人生数十人を凝縮させたようなキャラクターが動き始めればいつのまにか熱くて激しい世界になる」というのだ。韓国では悪口ばかり言われる設定が日本では長所に変わったわけだ。
日本ワールドカップ代表チームがカメルーン戦勝利をおさめた14日夜、渋谷の交差点ではうれしくてあばれまわる若者たちと警察の対峙する状況が起こった。信号機に上っては飛びおりる青年たちをテレビで見て「なかなかやるじゃないか」と思った。日本チームがゴールを入れても「隣家に迷惑をかけるから大声を出さない」と言っていた日本人たちではなかったのか。韓国と日本、これ両国はどうしてもますます似つつあるようだ。以前には風の方向が日本から韓国だったら、今回はその反対だ。
イ・ヨンヒのコソコソ日本文化
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