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12発。 1994年米国ワールドカップ(W杯)に出場したコロンビア代表の守備手アンドレ・エスコバールが帰国した後、4人組の強盗が彼の体に浴びせた銃弾の数だった。 予選A組の米国戦で記録したオウンゴールが禍根だった。 相手チームのセンタリングをクリアしようとしたが、そのまま自分のゴールに蹴り入れてしまったのだ。 2-1で敗れたコロンビアは16強の門の入口で敗退した。 当時の殺害の背後にはコロンビアの勝利に巨額の金を賭けた‘サッカーマフィア’がいるという説が有力だった。 懲役43年刑の宣告を受けた主犯が2005年、11年の服役の末に仮釈放され、背後説はさらに有力となった。
ボールを一度誤って蹴っただけで殺されるとは。 極端な事例だが、それほど自責ゴールがファンに与える失望感は大きいということでもある。 ペナルティーキックの外すのは自責ゴールほど罪の重みはない。 自責ゴールは英語で「オウンゴール(own goal)」という。 味方の選手の責任で食らったゴールという意味だ。 自責ゴールはかつて‘自殺ゴール’という殺伐とした名前で呼ばれた。 しかし「(自責ゴールを入れた)選手の苦痛を勘案すればあまりにもきつい表現」という指摘のため、国内では80年代後半から自殺ゴールという用語をできるだけ避けてきた。
高年俸選手だからといってミスをしないわけではない。 91年に英国プレミアリーグのアーセナル所属のリー・ディクソンがコヴェントリーシティとの試合で記録したゴールは‘最悪の自責ゴール’の一つとして伝えられている。 コヴェントリーシティのゴール方向にボールを蹴ろうとしていたディクソンは突然に向きを変えて自分のゴールキーパーにバックパスをするという理解しがたい行動をとった。 問題はそのゴールがフリーキックのようにスピンが強くかかり、味方のゴールキーパーの頭の上を超えてしまったということだ。 結局、アーセナルは2-1で敗れた。 1試合で自責ゴールを3ゴールも入れた選手もいる。 ベルギーのジュピラーリーグ95-96シーズン、ゲルミナル対アンデルレヒトの試合で、ゲルミナル所属のスタン・ファン・デン・バイスが経験した悲運だった。 話を聞くだけでも気の毒だ。
自責ゴールは選手本人の自責感につながる。 自責感は薬ではなく毒になるものだ。 南アフリカW杯のアルゼンチン戦で朴主永(パク・ジュヨン)選手が自責ゴールを入れた。 非難もあるが、激励があふれているのは幸いだ。 マラドーナも最近、ルイ・ヴィトンの広告に登場し、「うまくやってこそ試合に勝てるのであり、ペナルティーキックや自責ゴールで試合に勝つのは認め難い」と話したではないか。 そこで‘国民激励ソング’と呼ばれる‘スーパースター’の一節を借りてみたい。 主永よ、大丈夫だ、きっとうまくいく。 23日にナイジェリアとの決戦があるではないか。
奇宣ミン(キ・ソンミン)文化スポーツ部門記者
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