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太古から「風(パラム)」は人にとって気象現象以上の意味だった。 「風は神話の最も古くなった形態の一つだ。 すべての民族がそこに関心を向けた。 どの幽霊や神も、風のように関心と人気の対象にはなれなかった」。1981年ノーベル文学賞受賞作家のエリアス・カネッティが『言葉の良心』で定義した風だ。
太古の世界観で風は宇宙の息だ。 宇宙の呼吸がそのまま宇宙の霊的な活動であり、その時に生じたのが風ということだ。 風は宇宙が生きているという証票ということになる。 人の生死と変わらなかった。 人が死亡すれば鼻に紙をあてて息、すなわち風を確認していたのだ。 フランスの哲学者ガストン・バシュラールが「世界においては風が、人間においては呼吸が、内面の存在を遠くへ連れて行き、宇宙のすべての力に加わらせる」と述べたのも同じ脈絡だ。
私たちの民族にとって風流は風の別の表現だ。 風流詩人・徐廷柱(ソ・ジョンジュ)は「23年間私を育ててくれたのは8割が風だ」と詠った。 「私たちがよく素晴らしいものという意味で使う言葉に風流という言葉があるが、これは言うまでもなく文字通り風の流れをいうものとして使われる言葉」と述べたこともある。 したがって風流は単純なものではない。 風が吹き息をする宇宙の森羅万象の中に自分が生きていることであり、すなわち宇宙と自分の合一を意味するものだ。
風流が表出する私たち民族の生活情緒は「シンパラム」だ。 壇君(ダングン)以来の祭天儀式と農楽・グッ(巫女が神に祈る儀式)で見る歌舞と遊戯が原形だ。 シンパラムは一人ではなくみんなを一つに合わせる気運だ。 今はギリシャを2-0で完破した太極戦士が作り出したサッカーパラム(風)がすべての国民にシンパラム(興)を与えている。 この風が突風に変わって16強、8強、それ以上を達成してほしいという望みが切実だ。
知識経済部とKOTRA(大韓貿易投資振興公社)の主管で昨日と今日の2日間、ドイツ・ハンブルグで「グローバルパートナーシップ欧州連合(EU)2010」行事が開かれている。 国内風力分野企業が世界風力産業をリードする欧州のグローバル企業と1対1のビジネス相談を行う場だ。 世界風力市場規模は2年後に造船市場を凌駕する見通しだ。 今は風がお金の世の中だ。 風力の本場の欧州に‘韓国パラム(風)’が起こることを願う理由だ。
金南中(キム・ナムジュン)論説委員
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