韓国がワールドカップ(W杯)熱気に包まれている間、北朝鮮がまた「ソウル火の海」という言葉で脅迫した。 「ソウル火の海」発言は1994年に初めて登場してから16年が経った。 まだ韓国社会では「ソウル火の海」とさえ言えば恐縮する敗北主義が相変わらずであるため、「ソウル火の海」は共産主義の歴史に残るほどの脅迫文句だろう。 しかしこいうした名品もトルーマン米大統領には通用しなかったはずだ。
1945年、第2次世界大戦終戦後、米国・英国・フランス・ソ連は敗戦国ドイツを分割占領した。 48年6月、米・英・仏はその地域に独立国家の西ドイツを建国しようとした。 するとソ連は西側地域から首都ベルリンに通じる陸路と水路を遮断した。 250万人の市民を飢えさせ、ベルリンを占領すると脅迫したのだ。 軍指揮官と政治・外交参謀はトルーマンに第1案として米軍のベルリン撤収を建議した。 彼らはソ連の封鎖に対抗すれば第3次世界大戦が起こるかもしれないと述べた。 トルーマンは短く述べた。 「われわれはベルリンに留まる」。そして歴史上、最大の空輸作戦を命令した。 ソ連は11カ月で封鎖を解いた。 大統領の勇気が歴史をどう変えるか、トルーマンは示した。 米軍が撤収していれば、ベルリンはソ連に渡り、ドイツ統一(1990年)ははるかに先に延びていたはずだ。(クリス・ウィリス著『大統領の危機』)
李明博(イ・ミョンバク)大統領は今、重要な試験に直面している。 北朝鮮の脅迫を意識し、対北朝鮮ビラ散布と拡声器・電光板稼働をずっと先送りにするのか。 それとも5月24日に護国英霊と国民に約束した通りに断固実行するのか。 「ソウル火の海」が出てくる前から李明博政権は動揺する姿を見せた。 「断固たる対応」の強度が落ちた。 軍は北朝鮮ビラをあきらめたかのように拡声器の数も減らした。 きちんと稼働させるかどうかも疑問だ。 「強力な安保理決議」を叫んだ外交官らは議長声明の方向へと向かっている。
【時視各角】トルーマンの勇気と李大統領の試験(2)
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