ソウル中央地検公安１部は４日、黄長燁（ファン・ジャンヨプ、８７）元北朝鮮労働党秘書を殺害せよという指令を受けて偽装北朝鮮脱出した疑い（国家保安法違反など）でキム・ミョンホ（３６）とトン・ミョングァン（３６）を逮捕起訴した。

検察によると人民武力部偵察総局工作員であるキム容疑者らは昨年１１月、偵察総局長キム・ヨンチョル上将から「黄が近来首脳部と体制を非難しすぎている。民族の反逆者、黄長燁を処断せよ」という指令を受けた。偵察局は「黄長燁が今すぐ、明日死んでも自然死するよう放置してはいけない」と殺害を指示した。

これによってキム容疑者とトン容疑者は中国などを通って、１月と２月にそれぞれ脱北者になって入国した。２人は指令を果たすために黄元秘書が名誉会長である脱北者同志の会に加入しようと謀議した。


また海外電子メールアドレス１つと中国の携帯電話番号１つ持ち、「商品」（黄元秘書）、「病院」（国家情報院）、「商品を退送しろ」（黄元秘書を殺害せよ）というなどの暗号を使って北朝鮮と交信しようとした。検察関係者は「国内で暗躍する固定スパイ網との具体的な接近方法は別に教わっていない」と述べた。しかし彼は「これらのような目的を持った別な工作員がいるか、これから生じる可能性があると思う」と付け加えた。キム容疑者らは「早くても１年、遅くても２年以内に黄元秘書を殺害し、第三国を通じて北朝鮮に帰るつもりだった」という。

検察は天安艦事故に関して２人が持った情報はほとんどなかったと明らかにした。しかしこれらは魚雷の破片に書かれた「１番」は北朝鮮でも日常的に使う表現だと述べたという。トン容疑者は検察で「試験問題を出す時１番、２番と言い、１号、２号とは言わないじゃないか」と言った。またすでに北朝鮮社会で金正日国防委員長の後継者として三男のキム・ジョンウンになることを当然だと思っていると述べた。２人は「３代世襲は“人民の意”であり、全く変ではない」と述べた。検察関係者は「２人は『北朝鮮の主敵は米国であり、北朝鮮が豊かでないのは米国のせいであり、韓国の暮らしが豊かな理由も米国のおかげ』というなど米国に対する敵がいの念が強かった」と述べた。