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【噴水台】心理戦

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版



楚の項羽が漢の劉邦に追われ、垓下に包囲される。 万感の思いで眠れなかった夜、もの悲しい歌が聞こえてくる。 楚の歌だ。 四方を囲んだ漢の兵の中から聞こえてくる。 項羽は「漢がすでに楚を占領したのか」と言ってため息をつき、士気が低下した兵は支離滅裂になる。 「四面楚歌」の淵源であり「心理戦」の白眉だ。

現代戦でも心理戦は必須要素だ。 代表的なのがラジオ宣撫放送。 太平洋戦争当時、米軍はNHKから聞こえてくる女性に魅惑された。 米軍の顔のない恋人、「東京ローズ」だ。 米国国籍だった彼女は終戦後、反逆罪で処罰される。 ベトナム戦争では「ハノイ・ハンナ」がいた。 「トウフン(秋の香り)です」で始まる彼女も米軍の心を揺さぶった。 「他国の戦争で無意味に死んでいく」という甘い声が銃砲より強力だったという評価だ。 本名はチン・ティ・ゴで、終戦後に1級勲章を受ける。 韓国戦争(1950-53)当時は「ビラ」が主な心理戦の道具だった。 白善燁(ベク・ソンヨプ)回顧録によると、国連軍がばら撒いたビラは1000余種類で25億枚だったという。 普通ハガキほどの大きさで、韓半島を20回覆うことができる量だ。 米飯とイシモチの絵を描いておき、「国連軍に来て腹いっぱい食べて楽に生活する」という誘惑、「中共軍は良い武器、北朝鮮軍は使えない武器を与える」という仲違い、「降伏すれば助ける」という心理かく乱が主な内容だ。


ビラは休戦以後も続く。 冷戦時代、南北間の「声のない紙爆弾」ということだ。 お互い「たくさん食べて良い暮らしをする」という体制宣伝が主流だ。 1980年代半ばに北に飛ばしたビラには、俳優ウォン・ミギョンの写真に「義挙越南」褒賞金として黄金80万7700グラムを提示する。 これに対し北朝鮮は踊る女性の絵とともに兵士1億1100万ウォン、将星は3億3300万ウォンを与えると応酬する。 ところで効果はあったのか。

言葉でする心理戦もある。 三国志には侮辱で相手側の将帥の気持ちを揺さぶる場面が多い。 いわゆる激将之計だ。 イ・ジュンイク監督の映画「黄山(ファンサン)ボル」でも新羅(シルラ)と百済(ぺクジェ)間の侮辱戦が繰り広げられる。 拡声器はこうした心理戦の現代的道具とでもいえようか。 10キロ以上離れた敵の耳を執拗に攻撃する。 政府が「天安(チョンアン)」爆沈の対応として心理戦再開を宣言すると、北朝鮮が脅迫で対抗している。 まるで「チキンゲーム」局面だ。 孫子の軍争篇は「部隊は士気を、将帥は心理を奪え(三軍可奪気 将軍可奪心)」という。 南北は現在、心理戦中だ。

朴鍾権(パク・ジョングォン)論説委員



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