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ブラジル・ロシア・インド・中国。 いわゆる「ブリックス(BRICs)」はお互いよく知らない仲だった。 歴史も文化も利害関係も違った。 2001年にゴールドマンサックスのエコノミストであるジム・オニールが、規模が大きく、どんどん成長する点に着眼し、4カ国を一まとめにしただけだった。
ところが度々一つのグループにまとめられると、顔合わせでも一度してみようという話が出てきた。 先進国クラブから疎外され、友人が必要だったロシアが、まず4者会議を提案した。 2006年から外相がデートを始めた。 首脳らは昨年6月に初めて顔を合わせた。 よそよそしかったが、注がれる世界の耳目を楽しんだ。 根拠のない熱愛説に苦労した芸能人の男女が、その時からデートをして結婚した格好とでも言えようか。 こうしたものが「ピグマリオン効果」だ。 他人の期待や関心によって能率が上がったり結果が良くなる現象だ。
逆に「お前はそんな奴だ」という烙印を押されると、催眠にでもかかったもよう本当にそうなるのも人間だ。 「スティグマ(烙印)効果」ということだ。 烙印はそれ自体が苦痛であり人格破壊だ。 火で熱した焼きごてで烙印を消しながらぼろぼろと涙を流す史劇の中の奴婢の話でなくとも、烙印は本当に恐ろしいものだ。 犯罪でも発生すれば真っ先に疑われる前科者の記録もいわば現代版スティグマだ。
国家人はスティグマから自由になれるのか。 世界経済に良くない兆しが見えると、海外では決まって韓国たたきが始まる。 「今回は違う」という政府の言葉は空しいばかりだ。 通貨危機という前歴が繰り返し韓国の足かせになるのだ。
烙印に劣らず怖いものがあるとすれば、それは‘悪い隣人’だ。 ポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペインの頭文字を組み合わせた「ピッグス(PIGS)」。 それは「地中海クラブ」や「オリーブベルト」のように特定地域をいう言葉だった。 しかしギリシャが破綻した国として刻印され、他国も同じ扱いを受けている。 ピッグスが属する欧州連合(EU)全体がお互いの影響から抜け出せない関係だ。
今日の世界は鎖で船をつないだ曹操の連環計に例えられる。 お互い連結した開放経済であるため、順風に乗った時はブリックスのように強力だ。 しかし逆風の火に包まれると、ピッグスのように対応無策でやられる。 最近はヨーロッパ発財政危機がもたらした逆風が、その後からは天安(チョンアン)艦爆沈の風浪が続く危うい情勢だ。 良くない烙印一つを消すという覚悟でしっかりと対処しなければならない。 気持ちの引き締めは必須だ。
許貴植(ホ・クィシク)経済部門次長
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