ヨットは単に西欧の大衆化したレジャースポーツにとどまらない。 英国の有名コンサルティング会社ダグラスウェストウッドは、これから注力すべき分野に海洋レジャー産業を選んだことがある。 ２０１０年レジャーボート産業は０５年に比べて４２．９％以上も成長し、今後５年以内に世界レジャーボート産業が造船業を超えると予想した。

ヨットはよく自動車に例えられる。 自動車産業のようにヨット産業も有機的な関係が形成されるからだ。 たとえば自動車１台を販売するためには完成品工場、部品生産、広告、サービスなどさまざまな業種が派生するが、ヨットもこれと同じだ。 英国のヨット産業は１億ドルの生産時の波及効果が１億８２００万ドルになるほど関連産業に大きく影響を及ぼす。 マリーナ（ヨット停泊所）の建設をはじめ、ヨット生産に必要な工業団地、サービス・デザインなど潜在的付加価値が非常に大きい。

知識経済部はヨット産業を新成長動力としてヨット・ボート分野のグローバル核心ブランドを育成し、２０２０年までに世界小型レジャー船舶市場で２０％のシェアを確保するという目標を立てた。 知識経済部によると、世界レジャーボート市場規模は約４８兆ウォン（約４兆円）にのぼる。 これは造船業の市場規模の５７兆ウォンに迫る水準だ。 ヨーロッパはクルーズ船とレジャー用ボートの建造で依然として主導権を握っており、年間２１０億ドルの売上高が生じる。 これは韓国の商船およびプラント部門の売上高と似た規模だ。


韓国は海洋レジャー産業の全般を占めるヨット産業で、ヨーロッパの国に比べて大きく遅れている。 しかし３面が海に囲まれ、世界的な造船技術を保有しているため、いくらでも追いつくことは可能だ。 中国と隣接した西海岸はヨット競技だけでなく、海洋レジャー産業団地に成長する十分な潜在力と競争力を備えている。

昨年、京畿道華城市（キョンギド・ファソンシ）前谷（チョンゴク）港で開催された「コリアマッチカップ世界ヨット大会」と「国際ボートショー」は韓国ヨット産業の可能性を見せた。 ヨット不毛地に近い韓国が「ヨット強国になれる」という自信だ。 特に国内で製作されたヨットが公式競技ヨットとして使用され、韓国の優秀なヨット技術が世界有名選手を通して広く知られた。

ヨット産業の発展をためには政府と地方自治体の関心が必要だ。 コリアマッチカップが世界の注目を集められたのは、政府と京畿道の関心と支援があったからだ。 ヨット産業の発展はヨット大会とともに歩調を合わせて進まなければならない。 フィギュアスケートのキム・ヨナ選手のように１人のスターが産業に及ぼす象徴的な影響は非常に大きい。 世界的なヨット選手を輩出できるように青少年を養成する必要がある。

ヨットは環境的なスポーツであり、その産業は国家の新しい成長動力の核心になれる。 ヨットインフラを構築したりヨット人口の底辺拡大のために、世界的な大会を韓国で開催することは大きな意味がある。 ヨット大会を基盤に産業を形成し、これを通じて付加価値を創出できる産業が派生すれば、海洋強国になれるはずだ。

キム・ドンヨン・コリアマッチカップ世界ヨット大会国際プロモーター



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