天安艦爆沈という重大な外患の真ん中で韓国社会が4大河川事業の対立という内憂に苦しんでいる。野党・宗教界・市民団体の反対運動が6・2地方選挙とかみ合って破裂音をますます大きくしているのだ。反対者たちは「4大河川事業阻止汎国民対策委員会」を作り、最近は反対声明、デモ、記者会見が続いている。10日にはソウル明洞聖堂で師弟・信徒数千人が事業中断を促すミサを開いた。ここで政府政策に反対する時局ミサが開かれたのは1987年民主抗争以来だ。
反対者たちは4大河川事業を李明博大統領政権の代表的な“国民無視、ゴリ押し”と規定している。だから反対・批判運動は地方選挙結果と関係なく事業完工(2012年)まで政権任期終始続くだろう。それに環境に対する4大河川開発の影響は数年たってこそ現れるので4大河川対立は次の政権でも続くだろう。2年前、狂牛病ろうそくデモは数カ月で消えた。世宗市問題はいずれにせよ今後数カ月以内に国会で結論が出次第、何か糸口がつかめるだろう。これに比べ、4大河川対立は韓国社会の慢性疾患になる恐れが高い。事業開始前なら論難が過熱されてもいい。熱い論難はむしろ事業の方向を決めるのに寄与するだろう。ところで問題はすでに昨年11月4大河川事業が着工され、今は工事が盛んに進行中だということだ。政権の設計図面は変わることなく、反対の声がいくら大きくても工事は続くだろう。
それなら韓国社会はこの対立をどのように処理しなければならないのか。作今論議されている「国民大シンポジウム」が解決のきっかけになるだろう。国土海洋部が提案し、反対グループも同意したので、シンポジウムを開けばいい。狂牛病と同じく4大河川開発も「科学の問題」だ。どちらが正しいのか討論をすればアウトラインが見える。事業を推進する政府、賛否両方の専門家、反対する宗教・市民団体がすべて参加してテレビが生中継するうち時間にこだわらず大討論をしてみよう。
討論では多くの国民が気になる問題の核心が扱われなければならない。水はどれだけ不足なのか。洪水被害はいくらなのか、堰が16必要なのか、浚渫の深さは適当か、補設置や浚渫による環境被害はどうか、支川を含めた汚染源の対策はあるだ、必ず4つを同時に満たさなければならないか、2012年までに終えなければならない理由は何なのかを徹底的に論争すべきだ。政府も反対者も開かれた心を持たなければならない。合理的な指摘と代案が出れば政府はこれを受け入れて計画と速度を調節しなければならない。大きな幹で政府の説明が納得するに値すれば反対勢力は事業阻止のような盲目的な反対はせず、環境監視などの代案的姿勢で臨むべきだ。世宗市もこうした討論が不足で誤解の隙間を埋めることができなかった。過去の失敗は水に流そう。
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