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「天安(チョンアン)艦事件に対して韓国の国民が心配し哀悼しているのをよく理解しており、早期に解決されるべきだと考えている。仮にこうした国際的な事件を国際司法裁判所(ICJ)が判決する場合、最も重要なのは物的証拠と状況証拠を総合した文書資料となる」
ICJのフィリップ・クブレル事務処長が韓国国際交流財団の招待で今月3日、韓国を訪問した。クブレル氏は海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」事件解決のオプションの一つとされるICJの関係者としては事件後初めて韓国を訪れた。
クブレル氏は中央日報とのインタビューで、「天安事件についてICJ関係者として話す言葉はない」と一線を画したが、「この事件による韓国人の悲しみはよく理解している」と強調した。
以下は一問一答。
--ICJを活用している国は。
「現在、ICJを活用している国はヨーロッパと中南米圏が多い。アジアは非常に少ない。国際法は非常に柔軟で、国家間の紛争を合理的に解決する有用な手段だ。韓国を含むさらに多くのアジア国家が(天安艦のような)国際紛争の解決にICJを利用すればいいと考える」
--過去にICJが軍艦沈没事件を解決した例はあるのか。
「代表的な例が、1946年にアルバニアがコルフ海峡に設置した機雷で、英国の軍艦が破壊された事件だ。当時、関連国が物的証拠はもちろん状況証拠まで徹底的に収集し、詳しい報告書を提出したため、ICJがどの国がどれだけ責任があるのか判決を下すことができた」
--韓国が実効支配している独島(ドクト、日本名・竹島)に対し、日本が繰り返し紛乱を起こしているが。
「そういうことがあると聞いたことがある。両国の政府がお互い賢くこの問題を解決していくことを望む」
--ICJは国連の傘下機関だが、本部との関係は。
「潘基文(バン・ギムン)国連事務総長は国連傘下機関であるICJへの支援に非常に積極的だ。特にICJの裁判官の念願だった補佐官新設問題を解決し、15人の裁判官全員に補佐官が付くことになり、円滑な活動が可能になった」
--ICJに韓国人裁判官はいない。
「日本人と中国人がICJ所長を務めたが、韓国人からはまだ裁判官も出ていないのは残念だ。韓国にも有能な法曹人が多いだけに、いつか裁判官が出てくることを期待する」
--韓国と個人的な縁もあると聞いた。
「叔父がベルギー軍の一員として1951年から1年間ほど韓国戦争(1950-53)に参戦したため、韓国に関心がある。今回の訪韓期間中、釜山(プサン)の国連軍参戦墓地である国連公園を訪問し、戦没将兵を哀悼した」
クブレル氏は訪韓中、大韓国際法学会と国家報勲処を訪れて関係者と面談し、4日には梨花(イファ)女子大、6日には釜山大でそれぞれ「ICJの過去・現在・未来」をテーマに講演した。4日には政府内の国際法専門家であるシン・ガクス外交通商部第1次官を表敬訪問し、関心事について意見を交わした。クブレル氏はソウル・慶州(キョンジュ)など文化史跡地を回り、9日に出国する予定。
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